内容説明
私立赤羽高等学校サッカー部『レッドスワン』。新潟屈指の名門は崩壊の危機に瀕し、選手生命を絶たれた少年、高槻優雅は為す術なくその惨状を見守っていた。
しかし、チームが廃部寸前に追い込まれたその時、救世主が現れる。新指揮官に就任した舞原世怜奈は、優雅をパートナーに選ぶと、凝り固まってしまった名門の意識を根底から変えていく。
誰よりも〈知性〉を使って勝利を目指す。新監督が掲げた方針を胸に。『絶命』の運命を覆すため、少年たちの最後の闘いが今、幕を開ける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Junichi Yamaguchi
47
『私は生徒の悔しさを、悔しさのまま終わらせたりしない』… 綾崎さん中毒には、たまらない名前がチラホラ。 大きく動く前日譚のような物語。 次作への期待が増す。。2018/07/31
ユメ
45
絶望を背負った天才エース高槻優雅と、廃部を宣告され翼を折られた赤羽高校サッカー部「レッドスワン」の前に現れた絶世の美女・舞原世怜奈。選手経験は皆無ながらもこよなくサッカーを愛する彼女は、鋭い知性とずば抜けた人心掌握術、実家の名声をフル活用してレッドスワンの救世主となる。怪我でピッチに立てない優雅をコーチに据えて。相手に応じて自在に言葉を操りチームを動かす彼女の知将ぶりを、フィールドの上で研ぎ澄まされた優雅の肌感覚が補う。この無敵の可能性に心が勇むのを止められない。繊細な高校生たちの心理描写にも魅せられる。2019/01/18
kei@名古屋
40
私は、サッカーマンガが好きです。そして綾崎さんの作品が好きです。そう言う意味ではこれ以上ない良作でしょう。馴染みのないかたではポストプレーなどの専門的な言葉で少しだけわかりにくくなってしまうかもしれません。ただ、それ以上に綾崎さんのうまさで読ませるのかも。惜しむらくは、近隣の本屋では並んでいないのが悲しいところ。もう少し皆様の目に触れて欲しい作品のひとつです。悲しい限りです2018/07/26
よっち
35
廃部寸前にまで追い込まれたかつての新潟屈指の名門・赤羽高校サッカー部『レッドスワン』。監督も退任してどん底状態にあるチームに新指揮官として舞原世怜奈が就任し、チームを根本から変えてゆく青春サッカー小説。旧弊ばかりが目立っていたチームに、あの手この手を使って新しい風を吹き込んでゆく世怜奈。とはいえ順風満帆でなかったどころか、波乱続きで因縁めいた対決も続く中、チームの基盤づくりを何とか乗り切ってみせた顛末はなかなか面白かったです。かつてのエースだった優雅がこれからどうするのか、その辺も続刊に期待ということで。2018/07/14
nayu
34
面白かったサッカー小説。 サッカーは知性だって。 サッカーに限らずあらゆる球技は知性の競技ともいえる。 いわゆる心技体に加えて、知。 スポコン物も好きだけど、こういうのも好き。 しかも書き手が稀代のストーリーテラーときたもんだ。 面白くないわけがない。 というわけで続きも楽しみです。2018/07/25