内容説明
マックス・ウェーバーと並ぶ社会学の祖エミール・デュルケーム(1858-1917年)が1895年に世に問うたマニフェストの書、待望の新訳。『社会分業論』(1893年)で名を馳せたデュルケームは、その2年後、社会学に固有の対象である「社会的事実」の存在を宣言し、それを扱う方法を提示する。本書が与えた影響は計り知れない。この古典中の古典を第一級の専門家が明快な日本語にした決定版が完成!
目次
第一版序文
第二版序文
序 論
第一章 社会的事実とは何か
第二章 社会的事実の観察に関する規準
第三章 正常なものと病理的なものの区別に関する規準
第四章 社会類型の構成に関する規準
第五章 社会的事実の説明に関する規準
第六章 証明の実施に関する規準
結 論
訳者解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかしー
61
再読。タイトル通り、社会「学問」として、科学するにはどのような手法の規則(ルール)や規範にしたら良いか?についての本。 著者とあーだこーだ言いながら、考える伴走型の文章だけど中々ついていけない。やっぱ、難しいな。。。1回目と比べれば、本当に極わずかには進んだけど、まだまだ力量Lv不足。2023/01/01
うえ
8
解説「デュルケームが思い描いている社会とはそれに先立って個人が実在するような社会、言い換えれば、個人が社会の存在/不在にかかわらず意識主体として実在し、その個人が協力し、結合して創造するような社会ではない。そうではなく、彼が観念しているのは、個人と社会が不即不離の関係にあるような存在の様態、全体として分割不可能な一つの生命である人類=人間性の存在様態なのだ。…個人的生と社会的生は、個人と社会という異なる二つの視角から、同じ一つの不可分の生というものを照らし出して初めて現れる区別にすぎない、とも言えよう」2022/05/23
awe
7
難しかった。訳者解説を読んでようやく少し理解が深まるという古典読むときあるあるのパターン。その中で興味深かったのは、デュルケムがこうした科学としての社会学を打ち立てようとした背景には、世俗化が進む仏において、かつての宗教的な世界の認識枠組みに代わる、共和政の社会における新たな世界観の創出を期待されていたことがあるという話。この話どこかで聞いたことあるかも。超越的な存在・規範が社会を統合すると考えられていた時代が終わりつつある中で、いかに超越的なものに頼らず、世俗の社会の中で社会統合を考えるかという問題。2021/11/14
ぽん教授(非実在系)
3
個人を拘束する社会、という発想は既知であったがそれだけではマキャベリやホッブズと同等である。一方でデュルケムは彼らとは異なり人間の個々から社会が発生するというのではなく実存から自然に生成されると考える点ではスペンサーに同意する。この二点を両立することで心理学及びコントとスペンサーという社会学の先輩を超えようと企てた。そういう時代的なものを考えていかないといけない。ウェーバーやジンメルのような発想も加えた中で社会学は進展していくため、どこに力点を置くかというところが現代社会を見ていく際には取捨選択がいる。2018/12/13
あとがき
1
「社会的事実」とは、個人に外的拘束を及ぼしうる行為様式であり、それは個人から独立した存在性を持つ。 /個々人を超えた「かのような」社会的な拘束性はたしかに感じられる。そのような個人に還元できない「社会的事実」の概念を打ち出した功績は大きい。だが、あくまでも「擬制」として有益であって、デュルケムのように「実在」としての側面を強調することにはためらいがある。 やはり実在するのは個々人であり、社会的な現象は可能な限り個人と個人の関係性で理解を試みなければならないようにも思う。2024/03/13
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