内容説明
歩み続けろ、後悔は山頂に置いてゆけ
鉤十字のピッケルを狙い、ネオナチが暗躍し、謎の骨董商が動き出す!
登山に犯罪ドラマ、そして歴史ミステリ。通常では考えにくい組み合わせをファージングは見事に実現してみせた。裏切りや栄華に人間対自然といった要素のすべてが巧く描かれており、さらに歴史の謎と魅力的な登場人物たちが加わって完璧な物語に仕上がっている。まさに最高の一冊だ。
――〈アズ・オールウェイズ〉
1939年。訓練を終えたヨーゼフはチベットへと向かう。
イギリス軍の監視の目をかいくぐり頂上を目指さなくてはいけないが、
同行するシェルパが揉めごとを起こすなど山に至るまでの道も険しいものだった――。
現代。クインが発見したピッケルを狙い、謎めいたドイツ人骨董商、ネオナチらがうごめきだす。
骨董商を訪ね詳しい情報を得たクインだったが、
彼への復讐をもくろむサロンとピッケルを狙うネオナチからの襲撃を受ける。
そして、彼は何かに導かれるかのようにふたたびエベレストの頂点を目指すことになる――。
果たしてヨーゼフはエベレスト登頂に成功したのか? すべての世界最高峰に眠っている……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@80.7
58
これは是非映画にして欲しい。現代と戦争直前のエベレストを舞台に最後は綺麗に一つにまとめてくれました。エベレストから持ち帰った古いピッケルが語った愛の物語。エピローグはそうなるなと判っていても、そうなって欲しいと、それ以上のものになってウルウルしちゃいました。デビュー作それも自費出版から始まったとの話だそうでビックリ!山岳ものをお探しなら読んで損なしです。あぁ映画で見てみたい。2022/02/15
Panzer Leader
41
WWⅡ開戦前と現代の二つの時代を舞台にした山岳冒険小説なんだけど、現代編がちょっと余計というか浮いてしまっている感じがして、うーん惜しいなあという出来。それでもいつもの如く卑劣さ満載ヒムラーの策略や味方からさえも見捨てられた山岳猟兵部隊の兵士ベッカーが生死を賭けてエベレスト登頂を目指す熱い心意気、その困難さが良く描かれている。駅の階段昇りでもままならぬ老体の自分にとっては、登山などする人はもう雲の上の人、それだけで尊敬に値します。2019/12/31
MatsumotoShuji
3
ところが……、主人公が山から下りてくると木から下りたサル状態。その銃撃戦、要る? 執拗な殺し屋も恐ろしいというよりも、「うざい」だけ。テンション下がりまくりで、あーあ、タイトル負けかあ、と思ったら、最後にやってくれました。やっぱり山屋は山に登ってなんぼだなあ、ということがよく分かるお話。それにしてもタイトルがすごい(もういいって)。2018/06/19