内容説明
美貌の人形修理屋店主が、事件の謎を追う!
人形修理工房「浮世堂」は、どんなものの修理も受け入れる。店主の城戸利市は文字通り浮き世離れした男で、若いが腕ききの職人だ。ある日、利市のもとに山梨の名家からワケありらしい人形修理の依頼が舞い込むが――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
80
雰囲気が好み、の一冊。人形修理工房 浮世堂を営む 利一が、他者の命を奪う「死神」を追う物語。プロローグから好みの雰囲気を感じ、そのままラストまで。人形が織りなす世界には美しさと妖しさを感じ、身勝手さが招いたぶっとんだ残酷な世界にはひたすら嫌悪感を、そして謳子、ぬいの数奇な運命、辿る道にはせつなさを感じながらもこの世界観にすっかり魅せられてしまった。誰もが抱えるせつない思い…時間がかかっても和らぐといいな。思い出は胸の中の宝…いい言葉だ。2018/10/26
papako
64
momiさんにいただいて。作者らしいお話でした!人形のよう死体、泡沫人形。死神。いなかったことにされる弟。人の死体を保存する骸屋など、全体の構造がわかるまでは、なに?なに?と思いましたが、雰囲気だけで読んでいくとだんだんわかってきて楽しくなった。哀しい殺人鬼、謳子さんと音の魂で蘇った死神ぬい。そして全てを忘れない利市。この巻だけでも完結と言って良いとてもきれいなラスト。サチコさんとよっちゃんが切なかったなぁ。続きはどんな感じ?楽しみ。2019/11/24
おかだ
56
ふむ、楽しんだ。弟を失い家族の記憶を消された過去を持つ人形修理屋と、死んだ人間を蘇らせる為に生贄を探す死神、因縁の戦いが始まる的なやつ。人形というアイテム使いといい、世界観に惹き込まれる。謳子さんが雰囲気作りにいい仕事してる。この作品が良いとか悪いとかの問題ではなく、無性に『裏閻魔』を読み返したくなった。なんとなく、主人公の背負った宿命とか、人の生き死にのやり取りとか、近い路線だからかなぁ。閻魔大好きだけど、利市もなかなか良かった。シリーズになってる模様。2巻も読みたい。2019/04/22
はつばあば
54
夜見師の中村ふみさんの作品でした。「人形とは美しく冷たい無機質なモノ」が私の概念。その人形に魂を・・命を吹き込む骸師なる言葉を与えて物語に引き込む術が素晴らしい。摩訶不思議な人形と我欲な老人、その老人に命を吹き込まれたぬい。そして彼ら死神に弟の命と共に記憶までも奪われた家族。たった一人利一だけが弟の死を覚えている。そんなある日、死神に襲われた少女・・・。息抜きに利市の友人で生臭坊主の愚浄さんに救われる。ダークホラーが好きな人には面白いでしょう。続きがありますので次にいきます。kindleunlimitで 2019/12/10
momi
45
残酷な眠り姫!!人形のように美しい華族令嬢は…蘇ったシリアルキラー! 一族を守るため死者すら利用するキタガワ…。忌まわしい習わしに従い人形になった少女! 人形修理屋・浮世堂…彼は昔大切な人を死神に奪われた! 大切な人を忘れたくないのに…忘れてしまう悲しさ…。このちょっとレトロな雰囲気も現代へと繋いでいく背景も設定も私好みです!面白かった〜。きっと次もゾクゾクしながら楽しませてくれるでしよう♬2019/02/05