ちくま学芸文庫<br> 現代語訳 三河物語

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ちくま学芸文庫
現代語訳 三河物語

  • ISBN:9784480098443

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内容説明

徳川家の譜代として、主君を裏切ることなく代々奉公してきた大久保家。その家筋を誇り、子々孫々に至るまで忠勤にはげむことを説いた『三河物語』は、松平郷に興り家康に至るまでの徳川家九代の歴史を今に伝える重要古典である。著者の大久保忠教、通称彦左衛門は、歴史上名高い長篠の戦い(1575)や関ヶ原の戦い(1600)、そして自ら参戦した上田城攻め(1585)などの様子を生き生きと描写し、ときには「天下のご意見番」として、主君への憤懣をも隠さない。当時の俗語で書かれた難解な原文を、読みやすい現代語訳で送る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

8
80年刊行の文庫化。講談では一心太助を従えた「天下のご意見番」として知られた大久保彦左衛門の書。松平氏の勃興から筆を起こしているが、彦左の生年は桶狭間の戦いがあった1560年なので、上・中冊は伝聞や当時の文献の編集。また、徳川贔屓であることは否めず、このあたりは眉に唾をつけて読む必要がある。明らかな誤記のほか、必ずしも時系列順でない、主語を把握しづらいなど、精読には時間がかかる。とはいえ、当時の人々の考え方の一端が窺い知れるし、一部が引用されることも少なくないので、文庫化で入手が容易になったのは嬉しい。2018/10/28

珈琲好き

7
松平清康の評価が非常に高いのが興味深い。武田信虎や美濃三人衆も清康の時から話しに出てくるし、信長時代の登場人物がこの時から活躍してたんだなあ。/ 関ヶ原の戦いから大坂の陣までの15年間の出来事がすっぽり抜け落ちてるのはどうしてなんだろう。2018/05/05

記憶喪失した男

6
「信長公記」に比べて、読み物としてはあまりにもつまらない。徳川家について書かれた1630年前後の書物であるのだが。2020/01/06

feodor

5
まずは松平家の来歴。森山(守山)崩れなどはなんとなく出ていた。他家には見せない門外不出、と言いながら、結構他家に対する疑義を見せる時があって、信康切腹に関しては酒井忠次関与をしめしてみたり、栄えているのは不正をしている家だというスタンスだとか、また同族の大久保忠隣の失脚に本多正信・正純が関わったことについて「事実無根」といいながらもその後本多家が衰退したことをわざわざ書いて、結局やつらがたくらんだんでしょ……的スタンスも見え隠れ。旗奉行のことについても、なんだかなあという感じもある。2020/08/18

ちゃんむねZWSN

3
骨肉の争いや騙し騙されが当たり前の戦国時代、一度も主君松平家・徳川将軍家を裏切ることなく仕えてきたと自負する大久保家(と彦左衛門)。特に家康の死後、秀忠・家光の世に入ってからの『彦左衛門の教訓』から始まる数章は、現代人の琴線にも触れるものだろうか。乱世も静まれば器用な者ばかりが重用されて、武闘派は次第に冷遇されていく。忠義一筋に生きるという「名誉」こそが大事なのに・・今を生きる我々が日々感じているジレンマを、戦国武将がリアルタイムに愚痴っていたとは!昔も今も「勤め人」の苦悩はどことなく似ているようですな。2019/01/28

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