内容説明
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はロマンス作家である妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇し、推理を披露して見事解決に導いているのだ。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、殺人容疑で捕まった友人のため真相を探ったり、犯人当てイベント中に起きた『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、講演を依頼された大学で殺人事件に巻き込まれたり……。結婚20年余りになる作家夫妻の日常と謎解き。図書館司書の著者が贈る連作ミステリ短編集。/解説=大矢博子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
183
最近のミステリは、エンタメなのに、国内外ともに重苦しい内容が多いが、こういうのを読むとホッとする。タイトルからして、コージー好きにはたまらない。内容はコージーではないけど。このミステリ作家はバーボン派らしいし。男のジェシカおばさんって感じ。ジェシカほど犯罪捜査に前のめりじゃないけど。ミステリウィークエンドの賞品の『マルタの鷹』初版本がなくなった事件、容疑者も犯人も誰も本自体に興味がなかったのに笑えた。ダニングだったら、この本で絶対殺人が起きてるのに。2019/02/18
ゆのん
125
ミステリ作家のシャンクスが主役の短編集。妻のコーラはロマンス小説家。夫婦仲は良いが皮肉の応酬が面白い。サブキャラ達も個性豊かで非常に好みの内容だった。それぞれの短編の後に『著者よりひとこと』と解説のようなものがあるのも良かった。主人公のシャンクスは特に売れっ子という訳ではないところも面白い。妻を適度に恐れ、本が売れたら良いなと思い、非常に観察眼の鋭いキャラクター。作者は次の作品も書いているらしいのでまた、日本でも刊行されると良いな。2018/06/16
Panzer Leader
115
妻も作家でありキャリアは長いがあまり売れていないミステリー作家シャンクスが様々な謎や事件を解いていくユーモア溢れる連作短編集。切れ味鋭い推理というよりは、ちょっとした観察や何気ない会話でゆるく解決に導く話の進め方が心地よい。奥さんや作家仲間とのやり取りも笑いを誘い、出版業界のあるある話も興味深い。解説ではジャック・リッチー他の作家との類似性を列挙していたが、自分はそれらに加えてローレンス・ブロックの殺し屋シリーズと同じような味わいを感じた。題名通り日曜の午後にゆったりと読める逸品。2019/01/30
セウテス
91
【ミステリ作家シャンクス】シリーズ第1弾。まずタイトルが素敵だと感動しているが、作品もミステリ的なちょっと洒落たお話という感じ。何気ない空いた時間に、ふらっと読むのが良さそうだ。主人公のシャンクスが、ミステリ作家として日常をおくる中で、ちょっとした事件に巻き込まれる。妻コーラとの会話も、これだけでも愉しめてしまう。むしろ、事件とかミステリと構えてしまうと、本作は良くないと思う。バリエーションも広くあり、謎を解いた後の片付け方というか落し所などに、皮肉やセンスを感じる。ん~ティータイムを、楽しむ人向きかな。2023/02/03
stobe1904
82
【このミス2020 海外編第7位】ミステリ作家のシャンクスが探偵役のミステリ連作短編集。帯にあるように気楽に読める短編14編から構成されている。シャンクスの周辺で起こる日常の謎を探偵役のシャンクスが解き明かすのだが、この作品の魅力はなんと言ってもシャンクスのキャラだと思う。謎解きもするが、妻のコーラに頭が上がらず、どこか憎めないシャンクスのファンになったのだが、シャンクスものはこの作品だけなので、続編を読めないのがとても残念。★★★★☆2019/12/12
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