硬きこと水のごとし

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硬きこと水のごとし

  • 著者名:閻連科【著】/谷川毅【訳】
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 河出書房新社(2018/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 840pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309207360

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内容説明

文化大革命の嵐が吹き荒れる中、革命の夢を抱く二人の男女が旧勢力と対峙する。権力と愛の狂気の行方にあるのは悲劇なのか。ノーベル賞候補と目される中国作家の魔術的リアリズム巨篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

71
『愉楽』以来の二冊目。『愉楽』ほどじゃないが、マルケスばりの魔術的想像力炸裂。文化大革命の真っ最中のドラマなので、毛沢東語録などが随所に引かれ、革命中国の堅苦しさが満々なのだが、その桎梏を敢えて課しながらも、革命の想像上の内実をとことん描き切っている。2023/07/25

キムチ27

65
18禁など安っぽい言葉は霧散しそう。強烈もここまでくると突き抜けたというか。文革の内容をある程度の知識で持っていないと 読み進める気力が萎えてしまう。筆者の筆力に惹かれてぽつぽつ読み続けているが彼のペンのコアはこれじゃないかという気すらした。高校中退で就労をしつつ、80年代にはかなり執筆をこなしていた筆者。当作は2000年に第3稿を終えている。何度も筆者の写真を見つつ、ただそのエネルギーに口あんぐり。12歳頃まで村から一歩も出ず小学校の体育館の様なところで学び続けショパコン優勝のユンディ。彼が優勝した時に2023/04/05

ヘラジカ

43
のっけから吹きつける文章の熱量!なんだかんだで閻連科作品は5冊目なのに、毎度毎度この熱気には気圧される。『人民に奉仕する』の性的エネルギーもスゴかったが、こちらはもっともっと剥き出しで怒涛のごとく押し寄せてくる。革命精神と愛欲が混じり合って炸裂するエロティシズムは、正に中国文学しか生み出せないものだろう。ただのドタバタ官能的滑稽譚でないことは明らかだが、日本語版に寄せられた文章を読むと、作者がいかに文学に対して真摯な思いを持っているかが分かり感慨深いものがある。世界文学を読む理由のひとつがこの作品だ。2017/12/24

ネコベス

29
文化大革命の波が押し寄せる河南省の山間部の村で革命に目覚め立身出世を望む高愛軍は出会った瞬間惹かれ合った夏紅梅と共に封建体制打倒を目指し革命理念を追求する。やがて二人は権力の魔力に取り込まれていく。いちいち高愛軍が大真面目に毛沢東の大仰な革命詩を引用するのが滑稽に映る。先祖を祀ったり、土地を分配して生産性を上げると反革命として処罰される理不尽さをユーモラスな筆致で描き出す。二人が拷問を受ける真の理由も皮肉が効いていて面白かった。人が生きる濃密な情念が詰まった小説。2018/03/08

かふ

26
文化大革命をパロディ化した壮大なマジック・リアリズム。主人公の愛軍は毛沢東のパロディとしとドン・キホーテのように革命を推進していく。しかし、それは愛人である紅梅との欲望愛の為である。毛沢東と江青の関係を二人の若い恋人で戯画化しているのだ。よく中国でこんな本出せるなと思うが全編に毛沢東語録(それに類した毛沢東の詩とか)が散りばめられている。真面目に読めば革命書なのだ。しかしフィクションとしては、毛沢東版「ドン・キホーテ」。2021/08/27

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