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内容説明
失意の銅山経営から帰国した是清は、実業界に転身。銀行業界に入り、正金銀行副頭取を経て、日銀副総裁へと出世する。折しも日露戦争が勃発、是清は祖国の命運を担い、外債募集のため、アメリカ、そしてイギリスへと赴くが……。破天荒な青春を経て財政の神様となった明治人の生涯。〈解説〉井上寿一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
加納恭史
13
随想録より自伝(上)が詳しい。そこで下巻へ。日清戦争との是清の関連が良く分かる。ペルーの鉱山開発の失敗の後、昔の教え子の下に日銀建築事務主任となる。建築中の日銀の建物の設計変更で色々もめる。途中まで石造りで工事したが、二階以上を穴あき煉瓦にする変更。日銀だから出来るだけ経費を削減したい。費用は安いがクレームがつく。総裁は変更を認めない。解決策として表面は外見だけ石造にする案を提示し、了解を得る。まあよくそんな解決策を見出だしたものだ。その功績から日本銀行の馬関支店長になる。そこから銀行家として活躍する。2025/10/22
フンフン
7
自伝は1905年で終わってしまう。日露戦争の募債の苦心談。この債務の支払いに戦後の日本は苦しむことになる。太平洋戦争の場合は日本が惨敗したので、国債が紙くずとなって債権者は泣き寝入りしたが、勝っていたらどうする気だったのか。戦争で荒廃した中国から賠償金なんか取れるはずもないし、高橋是清を失った時点で日本は亡国確定だったね。 2024/04/08
いぬたち
5
下巻だが壮年期頃で話は終わる。といっても波乱万丈の人生で終始面白く読むことができた。冒頭から日銀に入行し日露戦争の戦費を賄うところまでの一貫して金融業界の話になるが日本史を新たな視点で知ることができて興味深い。勇ましく生きるってこういう人のことなのかなと考えさせられる。2024/08/24
mizugame_book
4
まさに波乱万丈で、諸々の逸話があるが、官吏の時代か、無一文になるまで飲み明けて、お金を取りにいかせるという某文豪みたいな話が面白かった。 全般は、幼少時の出来事にて「運が良い」と言われ、以来楽観論を持ち続け、日本の難局も乗り切ったという印象。 あと養子だったというのは意外だった。
ヨードー
3
日露戦争では、高橋是清がいなければ負けていたというぐらい偉大な人。ユダヤ系アメリカ人のジェイコブ・シフ、クーン・レーブ商会の社長と知りあい、英米で1000万ポンドの公債が可能になった。なぜ日本の肩を持ってくれたか。当時のロシアではユダヤ人か差別され虐殺の下にあり、ロシアのユダヤ人を救うために日本公債を引き受けたという。 ロスチャイルドも暗躍しており、ユダヤ陰謀の如くになってくるが、ロスチャイルドファンとしては嬉しくなってくる。2023/05/27




