内容説明
〈作品紹介〉
ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。
*
「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」
「そんな日もありますよ、人間なんやから」
「一応接客サービスのプロやのに」
「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」
ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。
一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。
ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。
美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。
*
仕事に、恋に。
悩める女性に読んで欲しい。
共幻文庫 短編小説コンテスト2015
最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品
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〈著者紹介〉
浜野稚子(はまのわかこ)
関西在住の主婦。
「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」
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