内容説明
お追従、お節介、しみったれ、臆病者、空とぼけ……時は流れて世は大きく移り変わっても、人の考えることやすることには、古来変わらない傾向がある。昭和史の第一人者が、『パンセ』『人さまざま』『徒然草』など東西の古典をひもときながら、軍人や政治家、財界人や文士たちの様々な言動をたどる。善悪のあいだでよろめき続ける人間の悲哀を歴史の断層の中から掘り起こす、大人のための人間学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミッチ
8
過去の史実や書物から人を見る目を養えば、プーチンの為人が自ずと分かるはず。安倍さん!2022/05/25
Melody_Nelson
6
アリストテレスの弟子テオプラストスの「人さまざま」という本に描かれている人の性格(お追従、臆病者など)を選び、日本にも似たような人がいたよ、という叙述が多い。「人さまざま」の他、「徒然草」や荷風の「断腸亭日乗」が引き合いに出されていたのだが、むしろそれらの本に興味を持った。 本書で例として取り上げられているのは、コンセプト上、嫌な感じの人が多いが、軍人や政治家のこぼれ話みたいのは面白かった(多くは不愉快だったが)。隙間時間に読むには良い本。2018/06/10
武井 康則
4
昭和史に関わった人の聞き書きで4000人と会ったとまず書きだす。そして、あの戦争に関わった軍上層部がいかにバカでクズだったか、(もちろん筆者は言葉を選んでこんな下品な言葉は使わないが)聞いた話として書いていく。卑しい人々についていかに品性が下劣かをこれでもかと書いている。あるのはただの罵言。雑誌の記事で少しならいいが、一冊の本になると溜まった毒が辛くなる。2018/10/16
AnmitsuK (うろ覚えムーミン)
2
ビジネス本のような書名が示す通り、軽めのエッセイに仕上がっている。いつもの冷徹な視点の歴史探求を期待すると薄味で物足りないかもしれないが、古今東西の名文を引用しつつ昭和史の場面を当てはめていくという試みも、これはこれで面白い。2019/02/16
大先生
2
なかなか面白く為にもなる一冊でした。さすが保阪先生!日本一!!ちなみに私はお追従が苦手です。念のため。笑2018/11/26