内容説明
自分が性的少数者であることを、打ち明けること──それは自己を引き受けると同時に必然的にわたし/あなたの関係の再構築を要請する。ときには関係の破綻に至ることを覚悟しながら、人は「告白」する。「再-関係」をめぐる葛藤を、実例に沿って描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
47
筆者含め同性愛を親や家族にカミングアウトした実例、「カミングアウト・ストーリー」が各章に挙げられている。カミングアウトする側、される側の心の描写が細かく丁寧に書かれている。またLGBTに関しても分かり易く説明されていて、勉強になった。私自身は家族や友人にカミングアウトされても、「あなたはあなたで、今まで通りと何ら変わらないよ。」とう意識でいる。しかし「カミングアウト・ストーリー」を読む限り、現在でも当の本人にとっては辛く、悩み、カミングアウトするという事はかなり勇気と覚悟がいるのだなと感じた。⇒2019/09/07
けいご
34
なぜLGBTQを学ぶ必要があるのか?何故ならこの事を学んで行く事で実はLGBTQだけに限らず、あらゆる社会生活の中で人間が人間として生きていく為に必要な理解力を身につけることが出来るからだ。老若男女、人と何かが違うたったそれだけの事でイジメや迫害が生まれてくるのがこの社会。男・女・子供・大人・金持ち・貧乏人とどんなに線引きを行ったとしてもその全ては「みんな人」。目の前の人はどんな人でも人である事を正しく認識できる、そんな世界になればいいっと思った1冊★2023/12/06
ホシ
25
今学期は総数約180名の学生に日本語を教えています。これらの中には性的マイノリティの学生もおそらくいるはず。教壇に立つ教育者の端くれの一人としてLGBTについて正確な知識を身につけようと読みました。まずはLGBTについて知り、差別的な言動をしないこと。そして、カミングアウトする、しないの二者択一的な選択を迫るのではなく、カミングアウトしたい時に、高い障壁を感じる事なく気軽にカミングアウトできる社会造成を目指すべきこと。これが重要だと受け止めました。とても啓蒙される本です。2018/11/26
香菜子(かなこ・Kanako)
24
カミングアウト。砂川秀樹先生の著書。同性愛者、LGBT、性の多様性への理解が少しずつ高まってきたとはいえ、性的少数派がカミングアウトしたり、カミングアウトされたりといった機会は日本社会ではまだ多くないのかもしれません。カミングアウトする側とカミングアウトされる側が互いに寄り添って共感し合うことが何より大切であると気付かされました。2018/08/09
ステビア
12
ひとりひとりのカミングアウトが社会を変えていく契機になるかもしれない。2018/12/24