岩波ジュニア新書<br> 恋の相手は女の子

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岩波ジュニア新書
恋の相手は女の子

  • 著者名:室井舞花
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2018/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005008292

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内容説明

初恋は女の子.でも,教科書には「思春期には異性に関心をもつ」って書いてある.同性を好きになるわたしはまちがってる? 誰にも悩みを打ち明けられなかった10代から,彼女との「新郎のいない」結婚パーティーまで.自身の体験と,他当事者のエピソードを交え,「多様性に寛容な社会」への思いを語る.

目次

目  次
   はじめに
   用語集

 第1章 みんなと同じになりたい
   男の子? 女の子?/室井家の人々/好きなアイドルはspeed/一三歳の初恋/恐怖心/私、まちがってるんだ!/男の子に恋をしたい/人を好きになっちゃいけない/私は何者?/答えは映画の中に?/馬の瞳に一目惚れ/放課後は花屋で/ 「命」の授業/ヒトという生き物/人間を学びたい
 第2章 私自身が変化になる
   世界一周の旅へ/運命の出会い/初めて出会ったレズビアン/人が人を人として/自分自身へのカミングアウト/自分の気持ちと向きあう/彼女ができた!/自分の中の差別/姉ちゃんへの手紙/トイレでカミングアウト/国境を越えてつながる/多様な性について話したい/私も女の子が好き/たった一人の当事者に届けばいい
 第3章 二人でいれば、未来は明るい
   友だちとして/ 「幸せ」が描けない/3・11/絶望の中での出会い/なぜ学校に行かなければいけないの?/ 「人生最後の旅」が生んだもの/自分の未来はどこにある?/二人でいれば、未来は明るい/ブレない彼女/父へのカミングアウト/結婚したい三つの理由と、結婚したくない三つの理由/好きな人と、ずっといっしょに生きていく/そもそも結婚ってなんなんだろう?/結婚式って何をするの?/すてきなプロフェッショナル/母の反応/結婚を祝福されるのは幸運?/一番の悩み/パーティやめる?/あなたの望む姿を、私は笑わない/一つの結婚から変わること
 第4章 さまざまな当事者と家族の物語
   だれかにとっての灯りになりたい/言葉だけでなく行動で/多様な人が生きる景色/街中にセクシュアルマイノリティの生きる風景を/愛は人の数だけある/トシオくんのこと/受け入れたお母さんの想い/二九歳で初めて同性に恋をした/レズビアンでも、バイセクシュアルでもない/結婚して子どもを産むのが「女性の幸せ」なんだろうか?/妹が弟になったとき/ママがあなたに伝えられること
 第5章 人と人が出会う意味
   世界は変わる/国がちがえば常識も変わる/オーストラリアのマット/英国大使のティム・ヒッチンズさん/タヒチの「第三の性」/子どもは社会全体で育てるもの/学ぶ先は欧米ばかりじゃない
 第6章 ラブ・イズ・カラフル
   変わりはじめた日本/東京レインボープライド/自治体が同性カップルを認めた/私たちが「困らない」わけ/両側から歩み寄ること/同性愛者だから守られない権利/教育にできること/個人ができる最大のサポート/多様性に寛容な社会とは?/未来は描くことができる
   おわりに
   参考・引用文献
   おすすめの本・映画など

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

364
ウェディングパーティの出席者が350人。そして、この度の公刊では不特定多数の人たちに写真入り、実名で(おそらくは)カミングアウト。著者の勇気にも敬意を表したいが、なによりもこれを読んで安心したり、救われた思いになる人たちが大勢いることだろう。ただ、杞憂かも知れないが、そんな人たちが本書を書店で購入したり、図書館で借りるのを躊躇うこと。それを躊躇わせる社会の方が間違っているのだけれど、残念ながらまだそこまで日本の社会は成熟してはいない。もっとも、だからこそ著者はあえて本書を公刊したのだし、その価値は高い。2019/02/22

M

82
良書です。中高生に薦めたい。自分が人と違うことに悩みがちな年頃に、保健の教科書にあった残酷な一文。著者自身がセクシャルマイノリティに差別偏見があった為に、なかなか自分を受け入れられなかったというのは印象的だった。思春期に気づくケースもあれば、大人になって初めて恋愛をして気づくことも。長い葛藤と道のりを経て、同性同士の挙式を成功させ、自分が変われば周りを変えられる、という著者とそのパートナーの行動力に脱帽。LGBTに限らず、多種多様な個性をあるがままに受け入れられる心でありたい。2016/07/19

リノン

30
ピースボートを体験した人を初めて知りました。街角にある「世界一周の船旅」のポスターを見てましたが、胡散臭い…。船に世界各国の人がいて、面白そうなプログラムが日々行われてるのも知らなかったです。話がそれましたが、ずっと同性を好きだということを考えないようにしていた著者がピースボートでの出会いで同性が好きだと自覚し、認めます。本人自身がセクシャルマイノリティを差別していた為、認められなかったというのが興味深かったです。誰もが無関係ではない。恋愛であれ、家族であれ、生き方の多様性を認める社会になって欲しい。2016/06/24

ヒラP@ehon.gohon

27
私自身LGBTを理解できているかといえば、メディア報道でしか認識できていないので、身近に感じることはできないのですが、児童書でも取り上げられるようになった今だから、正しく理解することの必要性を感じています。 当事者のカミングアウトを基にしたこの本は、極めて日常的な発信であり、ある意味先駆であるかもしれませんが、自己解放の書物だと思いました。2022/11/03

アコ

24
都庁で同性婚挙式のニュースは記憶にあった。「たくさんの人に参加してもらい、自分たちの存在の証人になって欲しかった」という挙式理由やその考えに至るまでの10代からの著者の葛藤や進歩がシンプルな文章で綴られており大変読みやすい。親など周囲に理解者が多かったとはいえ、自分たちから変えていき、次は誰かの灯りになろうとする前向きな姿勢が好印象。「自分と違う人が目の前に現れてもその人がいることが日常になれば人はだんだん慣れていく」という言葉が印象的。性に限らず多様な生き方を認めあうことは大事。2017/02/23

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