内容説明
鷲を親だという娘「鷲」、河獺に嫉妬された漁師「深川の老漁夫」、そして美しい白い肌の少女に懸想した「くろん坊」という山の妖怪と安易な口約束が招いた悲劇――。近代化がすすむ日本の暗闇にとりのこされた生き物や道具を媒介に、異界と交わるものたちを描いた「近代異妖篇」の続篇。〈解説〉千葉俊二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
68
闇が色濃く残る江戸の夜から御一新後の風物まで、怪異に彩られる様を存分に楽しむ事が出来る。収録作のほとんどは既読であるものの、どれも二読三読どころか何度読み返しても新しい発見と戦慄のあるものばかりである。で、本巻でもっとも印象的なのは何といっても「白髪鬼」。何度読んでもこの得体の知れなさがひしひしと迫ってくる様子は堪らない。「鰻に呪われた男」もチープなタイトルとは裏腹に、同様の得体の知れなさが漂ってきて読んでいて実に満足できる。名作「妖婆」も収録されているし。内容、文体共に隙のない怪談を楽しむ事が出来た。2018/05/19
ワッピー
40
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉の3冊目。江戸期の怪談・奇談を語らせたら、やはり綺堂ですね。原因を解明しようとする近代的精神と、偶然が重なっただけというでは割り切れない人間の心のバランスがすばらしいと感じます。厚化粧コテコテの怨念あふれる怪談よりはこういうすっぴんの不思議談が好きなワッピーのお気に入りは、山中の不思議な生き物との交流「くろん坊」、釣竿を使わないでたくさんの魚を得る「深川の老漁夫」、あるいは「怪談コント」の狢と、異類と人間の交流話ばかり。やはりワッピーの精神は動物のようですね。2020/08/10
澤水月
30
「西瓜」は綺堂が後から練り直したようだが素朴な初期案だけでも怖すぎ!山本タカトの口絵が素晴らし過ぎて…蛙も怖い。くろん坊、白髪鬼、鰻に呪われた男など他アンソロでも読める名作ぞろい。初読の深川の老漁師が実に味わい深く好き。鰻やヤマメ、カニ、西瓜と食べ物怪奇多くてイイ。そして終わりかと思っていたら今秋まだ出ると!楽しみ過ぎ、山本タカトもこういう絵柄に変わってからをあまり観ていなかったこともあり。2018/09/17
翠埜もぐら
22
岡本綺堂の怪奇小説?面妖な話は、割と因果関係が漠然としているものが多くて最近はその辺がとても好きです。「西瓜」も西瓜が生首になるのは、変わったのか見えたのか。この辺もはっきりしなくて、そしてさほど大騒ぎにもならず、そんなことがあったのよ、的に終息していくのも綺堂らしくて、読んでいるこちらもまあどっちにしても不思議よね、が読後感だったりするのは綺堂に染まってる。動物も人外も怪異もほんの隣に居たちょっと前のお話は楽しいなぁ。2024/11/30
ぶんぶん
15
【図書館】岡本綺堂読物集の6巻目。 益々、面白くなる物語。 冒頭の「西瓜」から引きずり込まれる、果たして見間違いか、「群衆妄覚」か、それとも崇りか・・・綺堂の突っ放した書き方が、余計怖さに拍車を掛ける。 それと、「白髪鬼」と「くろん坊」が怖い。 理解不能な時、どうしようもなく恐怖しかない。 理不尽な面を出されたら対処しようが無い、もどかしい様な怖い様な、綺堂がそこら辺を上手く書きこんでいる。 怪談には怪談の、書き方と言う物があるんだなあ。 いよいよ、最終巻、せいぜい、また怖がらせて貰おう。2021/08/17
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