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内容説明
『論語』研究第一人者の佐久 協先生 渾身の書き下ろし最終講義!
●本書はこんな方々にぜひ読んでいただきたいのです!
1 まだ一度も『論語』を手にしたことがない読者
2 飛躍を望みながら、頭打ちの状態にいる読者
●孔子本来の教えと儒教の教えとはまったく違うものだった!
『論語』は、孔子とその弟子たちの言行録で、漢字数にして1万4000字に満たない短編である。
僕は『論語』を論ずる上で以下の三点を主張してきた。
1 孔子の本来の教えと、儒教の教えとは異なるものである
2 『論語』は、『大学』の八条目にそって読むと理解しやすい
3 先人の『論語』解釈には疑問点が多々ある
●「論語」を2000年間の儒教的解釈から解放する
しかし、最近の右傾化の影響で『論語』の新訳本は儒教的に解釈した道徳教育の教材や国家主義的解釈が復活している。
さらに権威ある先達の研究から一歩も出ていない訳文が多い。
本書では『論語』の従来の誤訳を発見し、新たな訳を考えていく。
このことだけが、『論語』を2000年にわたる儒教的解釈から解放し、孔子の本来の意図―泰然自若たる個人主義―に近づける唯一の方法だからである。
≪目次≫
はじめに
第一章 『論語』の権威ある注釈書
第二章 誤訳ってなんだ?
第三章 『論語』2000年の誤訳
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字スキー
20
慶應義塾高校の教壇にも立っていた佐久先生による、従来の定訳に囚われない『論語』の解説。TVでもお馴染みの齋藤孝先生は素読を奨励しておられたが、佐久先生は「いつ、どこで、誰が……」といった原理原則と時代背景、孔子の聖人のイメージではなく実像をつぶさに検証することを通して長年定訳とされていた解釈のいくつかを誤訳と指摘する。若い学生に直接語りかけるような好好爺じみた語り口が親しみやすく、心地好い刺激の得られる優れた読書論でもあると思う。2018/05/25
さとうしん
9
本書で違和感を抱いたのが、冒頭の「定本」と「定訳」の話。『論語』のような古典文献には、「底本」は存在するが、通常はそれを基礎として更に学者・研究者の校訂が施され、従来の注解を踏まえつつ批判を加えて訳が作られるわけで、定本も定訳も存在しないのではないだろうか。本書での著者の解釈も、仮にそれが従来の解釈と比べて妥当なものであったとしても、数ある『論語』の注解のひとつという扱いになるはずである。あと、本書で触れられていない宮崎市定のものは「オチャラケ解釈」に入ると思う。2018/04/01
エルウッド
0
佐久協先生の『「論語」2000年の誤訳』を読了しましたm(_ _)m この本は、5人の先生の訳本を例に挙げて、「自分はこう訳す」と自分の訳を紹介しています。 「5人の先生方は、過去の訳に囚われて、無難な訳しかしていない」とバッサリと切り捨てています。 『論語』の章句は、5W1Hの一部が欠けているのが多く、行間を読み5W1Hを補う事によって本当の意味が読みとれます。2023/07/19
むむむ
0
無批判に訳を信ずることの難しさよ。ただ、あまり興味の持てる内容ではなく、流し読みで終えてしまった。2021/06/13