- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
革命の理論的支柱であったトロツキーが、自身の永続革命論について展開した「総括と展望」と亡命後に行った歴史的な「コペンハーゲン演説」、スターリニズムを批判した「スターリニズムとボリシェヴィズム」など6本の論文を厳選収録。トロツキーの永続革命論の全体像とロシア革命の全体像を理解する手頃な入門書であり、マルクス以降のマルクス主義の最も優れた成果の一つを学ぶ手引きでもある。ロシア革命100周年企画第1弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
6
永続革命論と二段階革命論。これは1905年二月革命以降ソヴィエト内部での葛藤だったようだ。ロシアの後進性は国内資本主義を十分に成長させてはいないが、同じく先進的民主主義も絶対制の中でフランスのように育っていない。自ずと労働者階級の下からの高度な民主主義の追求のエネルギーは資本家階級に権力を預ける一休みなどせず、自らのが権力を握る革命となるだろう。その革命はヨーロッパの先進諸国の革命なしに生き長らえることは困難だ。これが骨子のように思う。2021/07/03
しんすけ
6
本書を読んでいると、現代日本の沈滞閉塞状況を対比することが多い。原因は、体制を維持すべく動く力があまりも強く、それがロシア末期の体制維持派に似ているからだろう。 体制維持はツアーリズムだけでなく、革命家を気取る者にも観られる傾向である。スターリンがそうだったように人間は権力を手にすると、新種の気概を無くすものなのであろう。 これがニーチェの云う権力の意思というものかもしれない。 トロツキーは『ファウスト』から「生まれてくるものいっさいは、滅びるに値する」を引用して、社会体制が永遠なものでないことを説く。2017/11/29
Ex libris 毒餃子
4
「スターリニズムとボリシェヴィズム」でのスターリニズム批判での妙に納得いかないのは現在から見てボリシェヴィズムにスターリニズムの萌芽をありありと見てとれるからである。プロレタリアート独裁に至る過程での農民反乱鎮圧などをみると最終的に農民解放に至ることを考えていたかは疑問。しかしながら、レーニン時代のソ連での農民への対応が理論的にわかったようは気がする。2017/12/29
のうみそしる
2
経済発展が遅れていたあの時代のロシアだったからこそ、プロレタリアートの権力掌握がたやすかった。トロツキーの理論とレーニンの実践。スターリンはマジでクソ。マフノについての言及がありなんかうれしかった。確かに、マルクスの理念があったからこそ、そしてソヴィエトが脅威だったからこそ、西側諸国の福祉政策が厚くなったのだろう。共産主義は失敗でした、だけで終わらせてはいけない。2021/05/06
ポルターガイスト
1
史料としてかなりおもしろかった。コペンハーゲン演説の部分は特に読みやすく,感情がこもっていてわかりやすい。そしてトロツキーがスターリンに敗北するのもわかるような気がする。2021/10/04