内容説明
読む愉しみを満喫できる44作の名短篇案内。
「この短篇小説がすごい!」
小説読みの達人・湯川豊氏が、「読む愉しみ」という基準で選んだ現代人気作家44人の傑作短篇小説案内。
吉行淳之介、丸谷才一、大江健三郎から池澤夏樹、村上春樹、村上龍まで、そして、高村薫、川上弘美、山田詠美からよしもとばなな、江國香織、角田光代、三浦しをんまで――さらには、松本清張、司馬遼太郎から藤沢周平、野坂昭如、五木寛之、井上ひさしまで、そして、瀬戸内寂聴、田辺聖子から向田邦子、林真理子、宮部みゆきまで――
エッセイ風、旅行記風、別世界風、童話風短篇から先行作品を下敷きにした「ハイジャック小説」、女性作家の「濃い小説」……などなど。
さまざまな手法を使い、多様な技巧をつくした、思わず読みたくなる(あるいは再読したくなる)44の名短篇の魅力が語られる。
「短篇小説を読む愉しみ」に誘ってくれて、読書の幅がぐんと広がるブックガイドの白眉。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
87
この本を書かれた湯川さんという方は「文学界」の編集長をされた方なのですね。ですのでここに紹介されている短編は純文学的な味わいのある作品が多い気がします。私も結構アンアソロジーなどで短篇を読んでいるのですが、読んでいない作品がかなり多い気がしました。私はどちらかというと作家で読んだりしていく傾向があるので少しここに紹介されているものを読んでいこうと思いました。2022/03/29
メタボン
38
☆☆☆★ 短篇の概要と読みどころが押さえられており、とにかく読みたくなってしまう短篇ばかり。まさしくビブリオバトルのような本だった。一気に読みたい本が増えた。2019/12/25
踊る猫
37
読み巧者としての筆が冴える一冊。純文学やエンターテイメント、時代小説からミステリまで著者が偏愛する短編をザッと見ることが出来る。新書故の内容のヌルさは気にならなくもないが、充実した内容で食わず嫌いだった作家を読みたくさせられた。もちろん既読の作家も読み直したくなったわけで、コスト・パフォーマンスの高い一冊であると言える。縮めて言えばお買い得。この一冊から様々な本に読書を繰り広げることが出来るだろう。湯川豊と出会ったのは今年の収穫だった。と同時に、自分の読書量の少なさを痛感させられることにもなったわけだけど2019/01/25
miori
17
文芸雑誌「文學界」の元編集長の著者が、国内の名短編四十四編を紹介しています。紹介の仕方が上手なのでしょう、すべての作品を手に取ってみたくなります。選択の基準は「読む楽しみ」ということのようで、ジャンルに拘らずに紹介されています。短編好きにはたまらないブックガイドだと思います。2022/07/20
niko-08
17
「次は何を読もうかな?」の参考になればと思い、読んでみた。宮部みゆきさん·井上荒野さん·小川糸さんはやはり気になる。驚いた事にずっと昔に読んだものもあったのだけど、忘れてしまった(汗)またいつか再読したい。2018/05/28