内容説明
親を送った人、これから送る人、皆に届けたい半年間の物語。79才と84才の両親を相次いで亡くした著者が描く、看取りの苦しさ、悲しみ、そして本当の意味で親を送るまで――。取材困難な場所に踏み込み話題になった『さいごの色街 飛田』『葬送の仕事師たち』の著者が書き綴った、セルフ・ドキュメント。愛する人を失った人の胸に響く、《いい年の大人の、親との別れ》。『佐賀のがばいばあちゃん』シリーズ・島田洋七さん推薦! 「別れたくなくても、その日は絶対来る」。
目次
第一章 母
母との距離
火傷
不幸中の幸い
病室で
母、語る
その日の父
ICU
原因は
延命
治療計画
「ご家族が判断」
銀行
「ありがとう」「ごめんなさい」
母の人生って
菩提寺に電話
「もう限界だよ」
甥の帰国
最期
葬儀社を探す
葬儀場所
父に言う
戒名
母の友人たち
「後ろ髪を引かれる思い」
第二章 父
母の葬儀の夜
Things to do
「平常営業」
父との「蜜月」
認知症のことをもう少し
母と父
老人ホームを探す
二択
友だち
悔やみの言葉
本格入居
父の意思
実家をたたむ
母の“居場所”
入院
父が逝く
お葬式
いい大人なのに
一つの解放感
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
111
お初の作家。タイトルと表紙に誘われて。文字数が多い(汗)だが途中で止められない。作者の元気だったはずの母の死から、認知性の父を続けて送ることになった4ヶ月の話。誰も嫌な人は出てこないのが救われる。割りと良好な家族間で良かった。とにかく核家族化している日本で初めて親の死に直面すると、色々なことが待ち受けているということが分かる作品だろう。何一つ『待ってくれない』現実。四十九日法要まで流れに任せた自分の父の時を思い出し今また鼻の奥がツンと。あとがきも良かった。送り方はそれぞれだが作者の両親は幸せだったろうな。2015/10/19
itica
71
誰にでも必ず死は訪れる。理屈では分かっていても親の死は想像すらしたくないと子供は思うものだ。著者自身が体験した突然の母の死、そして認知症を患った父の死を記したリアル「親を送る」本である。心の準備も無いままの親の死ほど辛いものはない。巣から落とされた雛のような心細さと、満足に看られなかった後悔に揺れる。私の両親は既に他界しているが、老婆心ながらやはり知識としてどのような老後と最期を迎えさせてあげたいか考えることも必要かと思う。 2016/03/21
ぶんこ
58
全てが自分も体験してきただけに、共感する点、驚く点が多かったです。 亡くなる前って、一時的に元気が出る事。入院時の病から肺炎を併発しての死も多いようです。最も驚いたのが、開業歯科医だったご両親、共働きの兄夫婦に僅かな貯金しかなかった事です。こればかりは不思議だったのですが、将来の事よりも今を楽しむ、子供達を喜ばす人生だったでしょうから幸せなのかもしれません。戒名の値段に驚いたの事、私も忘れられず、お葬式について考えるきっかけになりました。それにしても、おしゃれなご両親だったようなのに、この表紙は気の毒。2015/10/30
つちのこ
47
つい先日亡くなった父のことを反芻しながら読了。わずか四か月の間に両親を看取った体験を綴っているが、親の送り方には百人いれば百通りの送り方がある。著者の経験するそのドタバタぶりが、まさに身をもって体験したことだけに痛いほど共感できた。認知が進む父親とのやりとりや老人ホームやディサービスでの悶着もしかり。わが老父も「行きたくない」と駄々をこね、まるで幼子に諭すように後ろ髪を引かれる思いで送り出したことを思い出す。時間が過ぎれば忘れてしまうかもしれないが、人はこうして死と向き合い、成長するのだろう。2024/02/13
ichi
40
【図書館本】始めに母親が急死し、入院〜葬儀に至るまでの詳細がノンフィクションで描かれています。家族葬にかかったお金、戒名の値段など参考となりました。その後残された認知症の父親を施設に入居させるにあたり施設の探し方やそれぞれの施設の値段も参考となりました。私はまだですが、子供として親を送る日が必ずやってくるんだなぁ。2015/10/20
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