内容説明
すべての植物は、子孫を残し、繁栄していくために「タネ」に秘密を持っている。綿毛で上空1000メートルを浮遊するタネ、時速200キロ超で身から噴射されるタネ、殻に守られ数千年後でも発芽可能なタネ……。台所で捨てられるスイカやリンゴのタネにだって、子孫繁栄のための秘密がある。さあ、種の不思議な世界をのぞいてみよう!美しい細密画、約60点収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
122
植物のタネに関して纏めた一冊。それぞれ4ページ位+イラストで纏まっており、分かりやすい上に文章も面白い。植物たちが独自の方法で子孫を残す不思議さや逞しさを痛感する話が目白押し。単なる雑学本と思ったが、イメージ以上の面白さでした。2018/06/12
kinkin
81
サブタイトルはタネはたちのすごい戦略。様々な植物、野菜、果物について図版と共にわかりやすく解説されている。普段は意識していないし果物ではただ面倒なものとしか捉えていない。それがこの本を読むとタネについて興味がわいてくる。話はそれて子供の頃にスイカのタネを食べてしまうと盲腸になるというまことしやかな話があったがあれは多分行儀よく食べさせるための作り話だったのではないか。私は今でもスイカのタネごと食べるのを普通にしている。図書館本2018/08/01
いちろく
50
紹介していただいた本。自ら動く事が出来ない植物がどの様にして次の世代に繋げるか?知っている事、中途半端に知っていた事、初めて知る事 等など、多様化していく進化の結果を覗いているようで面白かった。何より驚いたのは、本来なら難解になる話を数ページのエッセイ風の内容にまとめている事。簡単ではなく難解でもなく調度よい。そんなカタチで植物の世界を覗かせてくれた著者と絵師に脱帽。休憩等のスキマ時間にページを捲るのにピッタリな1冊だった。 2018/12/29
つみれ
49
極めておもしろい。「種子が遠くに移動すること」がその植物の子孫繁栄につながるとすれば、自ら動くことのできない種子がどうやって移動を達成しているのか、という単純な問いかけがある。その問いに対して、種子たちは非常にバラエティに富んだ解答群を用意しているのだ。とある種子は風に乗って飛び、とある種子は衣服にくっついて運ばれる。本当に、プログラミングの話かと錯覚してしまうほどよくできた世界だ。むしろ、各植物を設計したSEたちが自分の書いた仕様書について誇らしげに語っている、そんな風景すら浮かんでしまう本である。2018/12/07
みや
47
読書会紹介本。子孫繁栄のために植物が様々な工夫と知恵を凝らした種子の秘密を教える科学本。40種を1つ約3ページで紹介。上空1000Mで飛ぶ、蟻に運んでもらう、毒物で時期を調整する、フィボナッチ数列など、一つ一つが大変面白い。 特に興味深い情報だけでも、メモがノート2ページ分になった。種子だけでなく葉や茎など全てに意味があり、その理屈をきちんと説明してくれている。こんなに身近にあるのに私は彼らについて何も知らなかった。考えようともしていなかった。植物に限らず、身の周りの色々な物に対する見方を変えてくれる本。2018/12/13