内容説明
2020年、東京五輪に向けて再開発が進む渋谷区のアパートで、老人の他殺体が発見された。捜査の結果、その被害者はかつて名家の人間だったことが判明する。この男は何者なのか――。渋谷で発見される、額に傷を付けられた死体。50年という時の中に潜み続ける殺人者とは――。警察小説の旗手・堂場瞬一が「人が人を殺す」というテーマに向き合い書き上げた、記念碑的文芸巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
109
これだけの大作を書き上げたエネルギーにはひたすら感嘆します。三代にわたる人物関係が描かれていて時代などを考えて読まないとこんがらかります。結構知っている場所(金王神社や昔あった恋文横丁など)があって懐かしく思い出しました。後半は箱根などに足を延ばしたりしています。やはり稀代の殺人者でも捕まるのは嫌なのでしょう。最後も生きているのかはっきりしない感じで、続編があるような感じです。映画化したら誰がいいかと予測してしまいます。若い頃は松坂桃李くんしかイメージに思い浮かびませんでした。2018/04/17
Junichi Yamaguchi
42
『全能感』… 蜜の甘さを感じるのは人それぞれ。 殺人という行為に蜜を感じることは、なかなか理解出来ないが興味をそそられた。 狭い世界で連鎖する人間模様、血は何処に向けて背中を押すのか⁈ 良くない想像をしてしまうのは、僕だけだろうか。。2018/03/07
tengen
31
約20年後の1985年渋谷で新たな額に十字の殺人事件が発生する。そして亡き長野代議士の長男が惨殺され、同時にその犯人も殺害される。捜査線上に次男の長野保が浮かぶ。 遂に長野保らしき男を捉えた生沢宗太郎刑事だったが、返討ちにあう。 同僚の死に住友、平田は肩を落とす。 そして2014年。 右腕のない老人の死体が発見される、額には十字の傷。 あの連続殺人の犯人がなぜ殺されたのか。 遺体は長野保とみて、警察、生沢薫刑事、河東怜司記者はそれぞれ真相を追う。 ☆彡渋谷という街に限定された事件だが時間軸が壮大でした。2019/07/05
坂城 弥生
28
この作家さんでは珍しいモヤモヤしたラストだった。長かっただけであまり実りのない話だったかな。2018/11/25
Syo
28
2014年。 2015年。 孫まで出てきた。 時効もなくなった。 後継者。 killers…。2018/07/23