内容説明
“犯罪”を“文学”に昇華させた渾身の傑作。
1968年10月11日、東京プリンスホテルでガードマンが頭部を撃ち抜かれた。
次いで京都、函館、名古屋と飛び火してゆく射殺事件。日本中を震撼させた連続射殺魔・永山則夫の、人間の内面と事件の全貌を鮮烈に描いたノンフィクション・ノベル。
21年間にわたり刑事被告人だった主人公が獄中で執筆した『無知の涙』『木橋』、獄中結婚、そして死刑確定と「犯罪を主題とする文学」を追究し続けた作家・佐木隆三の意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
11
元死刑囚で作家であった永山則夫の生涯(執行2年前に刊行)をドキュメンタリーに近いタッチで扱った「小説」。著者は永山が『木橋』で新日本文学賞を受賞したときの審査員であったことからこの事件について調査・取材すべきだと感じたという。永山本人、親族、被害者の遺族、獄中結婚した妻、など多くの人々への取材している。永山は、「(天才である)自分を死刑に処することは全人類に対する犯罪となる」と主張しているが、かつでの永山のように「無知」なままの者が死刑になるのは構わないのか。永山を支援する人にも問いたいところだ。2025/10/13
こけこ
1
悲惨な事件だったんだなと思う反面、国家の残酷な部分も分かった。次は、作家としての永山則夫を読んでみたい。2023/11/14
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