内容説明
十四年前に発生した連続放火事件。その中で能勢幸春と竹島千鶴はそれぞれの母を失った。後に再会した二人は交際を始め、千鶴が妊娠、幸春は結婚の承諾を得るため千鶴の父・久信に会いに行くが、久信は交通事故で記憶障害──前向性健忘に陥り、事故以来六年もの間毎日同じ日を繰り返していた。対面の数日後、幸春の知人で放火事件の関係者でもあった木村泰典が、公園で頭から血を流して倒れているのを発見される。当初は強盗事件と思われたものの、悲劇はこれだけでは終わらなかった……。次第に疑心暗鬼に駆られてゆく幸春と千鶴の未来の行方は? 鬼才が放つ驚愕と感動のミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワレモコウ
55
再読本。連続放火事件で母親を失った幸春と千鶴は、何年後かに再会し結婚したいと思うようになる。結婚の承諾を得るために会った千鶴の父は、6年前の事故で前向性健忘という記憶障害を患っていた。まもなく二人の身近な人が次々と殺されていく。それは、14年前の連続放火事件に関係しているのか?500頁を超える長編でした。なんだろ…北川さんの作品は好きで、内容も面白いんだけど、いつも読みづらい。ずっと解説を読んでいる感じ。幸春と千鶴の将来が明るいものになるような、最後の一捻りも良かったのに。2020/09/26
coco夏ko10角
23
婚約者の父親が前向性健忘、いくつかの事件、14年前との連続放火事件との関係は…。記憶障害に関する知識や多くの伏線で前半は少し読みにくかったが、後半は色々と明らかになっていって驚き。今後のメンタルが心配になってしまう人もいるが…。2019/11/28
鈴木 千春
4
ワレモコウさんの感想あらすじをコピペです。m(_ _)m 「連続放火事件で母親を失った幸春と千鶴は、何年後かに再会し結婚したいと思うようになる。結婚の承諾を得るために会った千鶴の父は、6年前の事故で前向性健忘という記憶障害を患っていた。まもなく二人の身近な人が次々と殺されていく。それは、14年前の連続放火事件に関係して いるのか」 幸春目線で展開され、読者を謎解きに誘導する。 が、いかんせん人物描写が、、、 すべて説明的なセリフ、行動。 むりやりトリックにもっていく。 500P超えをよく読んだものだ❢2024/03/13
Grand Guignol
4
前向性健忘症という設定を取り入れているため、小難しい説明が続くが不愉快さは感じない。登場人物は悲壮な過去を抱えているが、父親は同じ痛みを共有し続けることができない。一方で、読み手は彼らの痛みやもどかしさを痛烈に感じ、共有することになる。設定が単なる真相の開示に関わってくるだけではなく、平淡な人物描写をドラマティックに感じさせる役目となっている辺りが素晴らしい。最終章ではその企みが爆発しており、多くの悲劇の上に成り立った一つの救いが胸を震わせた。2010/09/28
みやこ
3
全然予想してない展開で驚きました。2015/07/12
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