内容説明
文春砲、不倫狩り、自主規制……なぜ、彼らは「バッシング」に奔(はし)るのか?
ネット社会が生み出した現代のクレーマーである「道徳自警団」。
法律ではなく、道徳的であるか否かでものごとを裁き、テレビ局はもとよりスポンサー企業、雑誌社、ニュースサイトの編集部、市役所、町村役場、著名人、政治家、はては無名の個人にまで電凸、メール、FAX攻撃を容赦なく浴びせる。
現在ではそれに恐れをなした有名人が発言を自粛。これこそ現在の日本の「息苦しさ」の正体そのものではないか。
本書では具体例をもとに、このやっかいな現代のクレーマーとどう対峙するかの道筋を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
72
借りたいと思っていたのがちょうど棚にあり手に取る。著者のいう「道徳自警団」、些細だが法に触れる・不謹慎であるとして、著名人などに猛烈なバッシングを行う連中をいう。受ける側も毅然として対処すればいいものを…… とネットで目立つ揚げ足取りで憂さ晴らしはなぜ起こるのかについて著者は答えを出す。それはちょっと弱い気がするんだが…… 似たようなのは経済成長している欧米でもあるはずだからだ。ことなかれ主義の日本特有といえばそうかも。様々な例をあげて論じていく。久しぶりにこの著者のを読んだ。良書。2018/07/16
テツ
28
最近古谷さん好きなので色々読んでいます。タイトルの「道徳自警団」という言葉を見て色々と思い浮かぶなあと。ほんの些細な、第三者にはどうでもいい筈の他人の不道徳さを発見したらただではおかない人々。それは自らのストレス発散のためでしかなく、他者を攻撃する行為から快楽を感じるから行っているだけだと気づくことなく彼らは不道徳な他人への容赦ない鉄槌を下し続ける。自分にだって勿論そうした部分はあるのだけど、側から見たその行為の下品さを常に頭の片隅に置いておく余裕は持っておきたい。僕は正義の代弁者ではない。2018/08/22
Porco
21
概ね著者に賛成ですが、ちょっとついていけないところや断定しすぎているように感じる部分もあります。要約すると、貧すれば鈍する、ということでしょうか。2018/09/04
青龍
14
現在のコロナ騒ぎの中の、行き過ぎとも思える相互監視の状況にも共通している。ネット上のバッシングにより自殺した女性タレントのことなども、これと根っ子は同じではないか。2020/07/08
ダンボー1号
11
ここ数年同じことを思っていた。(なぜ 自分の損得でもなくファンでもないタレントの不倫を非難し テレビはなぜ週刊誌報道を引用するのか 阿保らしい 日本を悪くする)と。だからタイトルに大いに同意し読む。筆者は経済成長無く収入増えず停滞した空気が道徳を求める と。 否定はしないがネットの普及で 誰もがツィッターでつぶやけることが大きな要因だと思う。某プロ野球選手の件に伴い匿名の非難抽象が 一掃されればいい。一昔前テレビの前で一人言でぼやいていたのがネットで拡散されただけ。2018/01/31
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