内容説明
紀元66‐70年、パレスチナのユダヤ人たちはローマ帝国と戦った。だが、彼らにとってこの戦争の結末ほど悲劇的なものはなかった。聖性が宿ると信じられた都エルサレムと神殿を失ったにもかかわらず、彼らの神は沈黙したままだったからである。神の沈黙は彼らに神の再解釈を迫り、以後、ユダヤ人たちの運命は大きく変わった。2000年にわたる流浪の始まりとなったのだ。この戦争を克明に記録した本書は、古代キリスト教以来、現代に至るまで西欧社会の必読書であり、イエスの神性を保証するプルーフテクストとして機能してきた。第3巻は、神殿の炎上から終戦まで。詳細な年表、索引、解説を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星乃
3
ローマ帝国・ティトスのエルサレム包囲からユダヤの敗戦まで。兵糧攻めにされ餓死者が投稿者が続出。空腹のあまりベルトの革紐は言うに及ばず、牛の糞から消化されていない穀物を洗い出して食べたり、母親が子どもをローストして食べたり、かなり壮絶。残党はマサダの要塞に立てこもったが奴隷になるくらいなら死んだほうがマシと思い集団自決。ユダヤ人と言えばホロコーストの一件もあり弱者なイメージを持っていたが、命をかけて熱く戦った歴史があったのだなあと気付かされた。2025/05/03
本とフルート
3
かなり時間がかかったが、読了。ヨセフスの手で描かれるエルサレム陥落とそれに続くユダヤ民族を襲う苦難は、現在の根深いパレスチナ問題にも繋がっているのだろう。キリスト教の解釈が加わっているという訳者のあとがきも興味深かった。なぜ旧約聖書と併読していたのかは自分でも不思議だ。2021/03/04
刳森伸一
3
第3巻では、遂にエルサレムが陥落する。その後日談、そして「リメンバー・マサダ(マサダを忘れるな)」で有名なマサダ陥落が語られる。結局どこまで史実に近いのは分からないが、自分が不利にならないように慎重に書いていることが端々から感じられる。また、ローマとユダヤの戦いは、現在の西欧諸国とイスラム国との戦いを彷彿させるところがあって、嫌な気持ちにさせられる。2015/11/20
Koning
2
終戦とローマへの凱旋、戦後処理ときて例のマサダですよ。マサダを忘れるな!的なアレになっちゃってるけど。まぁ確かに悲劇的ではあるけれど、当時の基準で考えるとある意味平常運転。で、解説とあとがきが来る訳ですが、『テクスト上の証拠から議論を進めるのは欧米の学問の伝統であるが、わたしにはその伝統を想像力でもって克服しなければ先へ進めないときがあるように思われる。』と言っちゃってるんですが、日本の場合この妄想で想像しちゃってトンデモになっちゃう人文科学ってのが横行し過ぎなので証拠出せよ!と私も突っ込んでおく。2012/07/05
platoon
0
Godを持たない民族に生まれてよかった。2013/06/28
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