内容説明
今から2万年後。量子グラフ理論の研究者キャスの実験は、新たな時空を生み出してしまう──それから数百年後、人類は拡大し続ける新たな時空の脅威に直面し、人類の生存圏の譲渡派と防御派が対立していた。観測拠点〈リンドラー〉号にて譲渡派のチカヤは幼なじみのマリアマと再会し動揺する……解説収録/前野昌弘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
107
難しすぎてよく分からなかった。「はじめにグラフありき、グラファイトよりはダイヤモンドに似たものが。このグラフの節点という節点が四価だ」冒頭からこんな文章が出てくるので、読んでいくのは楽ではなかった。それでも頑張って最後まで読んで、最後の一行は胸にすとんと落ちるものがあった。2万年後の遠い未来を描こうとする破天荒な試みに圧倒される。実験で生み出された新しい空間が、人類の住んでいる空間を侵食しようとし、主人公たちはその対応に追われる。このメインのプロットはおぼろげにしか理解できなかった。いつか再読したい。2018/06/14
34
22
この小説に出てくるもっともロマンチックな単語はまちがいなく「原子核化」。鼻血が出そうな発想。一行目は「はじめにグラフありき」で、しばらく最先端(2万年後)の量子論の解説が続く。これは「ループ量子重力理論」をもとにしているとのことで、その解説書(『すごい物理学講義』)には、イーガンがこの小説のために制作した図がひょっこり入っている。イーガンの最近の長篇の傾向に不満はなくはないのだけれど、もはやぼくの好き嫌いなどどうでもいい気がする。TwitterではGoogle先生を馬鹿にしまくっていて、それも素敵。2018/02/06
宇宙猫
17
挫折。物理に全く付いていけない。そこは流して読んでみたけど厳しかった。もうイーガンは無理かも...2025/03/27
おーすが
14
好きな部分もあったが概ね理解不能だった。もうイーガンはいいがん。2022/01/23
アラム
11
ハードSFの極北、わからんイーガン。理論はさっぱり不明で、初めから理解するつもりもない(笑)。そのへんはさておいて、物語の筋はとても面白かった。千年生きられるようになっても、自分自身が高速にデータ転送できるようになっても、ここまで個性(らしきもの)は維持できるんだろうか。2020/06/03




