出版社内容情報
日本推理作家協会賞にノミネートされた佳編「ゆるキャラはなぜ殺される」など、安定感抜群のユーモアミステリ5編を収録した傑作集!
内容説明
さまざまな着ぐるみが集う烏賊川市のビッグイベント「ゆるキャラコンテスト」。その準備中に、一人の出場者が胸を刺されて死んでいるのが発見された!事件解決のリミットはコンテスト開始までの一時間。探偵の鵜飼は真相解明に乗り出すが―。(「ゆるキャラはなぜ殺される」)おなじみ烏賊川市の面々がゆるーく活躍する、大人気ユーモアミステリー傑作集!
著者等紹介
東川篤哉[ヒガシガワトクヤ]
1968年広島県尾道生まれ。岡山大学法学部卒。’96年から公募アンソロジー『本格推理』『新・本格推理』に短編を発表。2002年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「Kappa‐One」第1弾に選ばれた『密室の鍵貸します』で、本格デビューを果たす。’11年には『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞に選ばれ、大ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
243
烏賊川市シリーズ第8弾。5話短編。内3編は倒叙ミステリー形式。犯行を嘲笑うのにも適している形なのか。もう自ら標榜する様になったんですね。《超犯罪多発都市》烏賊川市と。しかし検挙率は高いのかも知れないですね。顛末がはっきりとは分からないものもありますけれども。ミニマムなアイディアを東川さんお得意の冗談で引き伸ばしに伸ばすスタイル。鵜飼さん以外の探偵役も。と言うか鵜飼さん不在回もありました。そしてまさか剣先マイカ(ゆるキャラ)が再び登場するとは……流石です。『とある密室の始まりと終わり』は中々に凄まじい。2025/06/21
Akihiko @ VL
58
東川篤哉さん13冊目の読了。烏賊川市シリーズ8作目。短編ひとつひとつもさることながら、何よりもまず巻末の解説が素晴らしい。"探偵さえいなければ" このタイトルに隠されたもう一つの伏線を、まさかここで明らかにされるとは思いもよらなかった。考えてみればあまりにも東川さんらしいと言えばらしい単純なブラックジョークに気付けなかったことが悔しい。これは不肖、烏賊川市市民として誠に遺憾であると言わざるを得ない。"探偵"がこんな立ち回りをしても許されるのは本シリーズだけであって欲しいと心の底から思うそんな私である。2020/02/09
saga
56
犯人が初めに明かされる倒叙ミステリーが多い短編集。犯罪を犯す人間の弱さが、鵜飼探偵、砂川警部など異次元のキャラによって引き立つ。本作品のキモの部分を素晴らしく解説をする阿津川氏。そんな短編集でも異色なのが「ゆるキャラはなぜ殺される」の、衝撃(笑撃?)のラスト。2022/09/23
かめりあうさぎ
36
烏賊川市シリーズ第8弾。短編5話収録。そのうち3話は倒叙モノ。相変わらずのギャグセンスであっという間に楽しく読了しました。このシリーズは一人称の心の声が非常にコミカルなので、倒叙モノがハマるなぁと思います。ユーモア部分に隠れがちですが、ミステリ部分はしっかりしていて結構難問揃いだった印象。朱美さんと流平くんもでてきて、変わらない烏賊川市がそこにあることがうれしい。いやぁーしかし完全犯罪って、やっぱり難しいものですね。シリーズ長く続いて欲しいものです。2020/02/25
Masaru M
35
探偵役がコロコロ入れ替わって楽しい。朱美も志木刑事も活躍するし。それにしても剣崎マイカがなぜあんなにも鋭いのかと。(剣先だから?)ロボットでアリバイをって話が今風で好き。ゆるキャラの最後は若竹七海ふうの後味悪さが心地いい。2021/12/06