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内容説明
消えない撃墜説も含め、事故から33年となる今もその原因を巡る議論は続く。事故調査にあたった米運輸安全委員会など日米双方を徹底取材。多くの証言を軸に事故の最深部を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
59
あの事故から30年余。原因について未だあれこれ取り沙汰される中、国内外の関係者や識者へのインタビュー、資料等を基に検証。印象に残ったのは事故に対する法的アプローチ。日本では、業務上過失致死という罪状が示す通り、ミスした個人が責任を追及される。必然的に口を閉ざす。事実が隠される。簡単には変わらないだろう。しかし様々なものが不可視化・複雑化する中、「罰して終り」から脱却し、事実を見極めミスから学ぶ、そんな風に変わることが必要なのではないか。事故の検証にとどまらず、リスク・安全管理などの面からも示唆に富む1冊。2019/09/08
oldman獺祭魚翁
53
図書館 以前青山氏の「日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る」を図書館で見かけパラパラ読みさせて貰ったが、想像通りの陰謀論だった。こちらの本は当時のアメリカ側(NTSB<米安全委員会>やボーイング社)担当者などのインタビューを行い、日米の航空事故に対する調査の姿勢(業務上過失罪の有る日本とそういう罪状が無いアメリカ)を背景にして、事故原因は後部圧力隔壁の修理ミスであると結論付けている。今後も稚拙な陰謀論は後を断たないだろうが、こういうきちんとした本が出るのは大切だ。2018/10/05
松本直哉
31
自らが訴追されるおそれがあるときは真実を話すよりも自分に有利な証言をするだろう。業務上過失致死で個人の責任を問うよりも、なぜ事故が起きたのか、真実を究明するほうを優先するアメリカの司法と日本のそれとの違いを知る。ボーイングの修理担当者の個人名がなぜ公表されないのか、何か隠蔽しているのではないかと多くの日本人は考えたが、個人を特定したところで誰も得をしないのも確かだ。人間の作り出した機械には万全を尽くしても間違いがつきものなのだからその被害の最小化への努力をすべきという教訓は、原発などにも言えることだと思う2018/08/21
hatayan
23
1985年の日航機墜落事故の原因を、共同通信の記者である著者が米国の関係者を中心に取材。ボーイング社の修理ミスという説はほぼ揺るぎないながらもいまだに諸説が飛び交うのは、ミスがあっても故意でない限り個人の刑事責任を問わず、再発防止への教訓とする「正直なミス」という、日本にはない米国の独特の考え方が影を落としているのではと指摘します。 大手紙の書評でも取り上げられた、自衛隊機のミサイルによる撃墜説を主張する日航の元客室乗務員にも取材。予断を排して合理的に検証していく著者の姿勢に好感を持ちました。2018/11/11
松村 訓明(まつむら のりあき)
16
この本を読んで日航機123便が墜落した状況や理由が明確に分かりました。理由は簡単に言うと過去の尻もち事故の修理ミスであり、修理ミスにより、垂直尾翼が吹き飛び、そのことで飛行機が操縦不能に陥ったというものです。 筆者は、アメリカでボーイング社の航空安全マネジャーだった方、ボーイング社の元社長(※1)やアメリカ司法省の検事だった方(※2)にもインタビューをしたり、アメリカ連邦航空局職員やOBが入る「国際航空安全調査官協会」の準会員にもなり、パーティにも出かけたりして真実を知るために努めています。 2024/08/04




