内容説明
幼い頃から共にボールを蹴ってきた修平、文雄、靖春の三人の人生は、高校三年のインターハイでのひとつのプレイをきっかけに一転する。――22年後、現役のプロサッカー選手として未だ戦い続ける修平の前に文雄が姿を現したことに、警察官となった靖春は警戒を強める。文雄はサッカー賭博をシノギにしており、中国の黒社会との付き合いも噂される捜査対象者だった。修平のキャリアを守るため、文雄を調べ始めた靖春は、やがて、22年前に端を発する殺人事件に辿り着く――。逃れられない過去に苦しみながらも、人生に立ち向かう男たちを描いた激情と慟哭のクライムノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
詩界 -うたか-
4
裏社会で生きる男と、警察官、サッカー選手と三人を軸においた男の友情物語。2020/02/16
てんてん
3
反社会人と元サッカージャパン代表と警官の人間模様と人生を翻弄する過去の事件。面白かったですね。 この作者は面白い小説を書いているのに今一メジャーではないですよね(現時点)。もっと沢山の方に読んでほしいですね、特にスポーツ好きの方にお勧めの作家さんです。2019/09/13
だいゆー
3
引退間近のJリーガーと幼友達との明暗…2017/09/02
minu tanu
2
幼なじみ3人の視点で話が進みますが実質文雄が主人公と言っていいかも。修平は美味しいところを持っていき靖春は報われないような気がしました。2022/03/22
miki
2
サッカー部の仲間だった元日本代表のJ2サッカー選手修平、過去の事件での負傷のため事務仕事に異動した警察官靖春、サッカー賭博の代理店として裏社会で生きる文雄。はじめは三人の話がそれぞれに進むので、どこで繋がっていくのか?と思いながら読んだ。過去の事件に囚われている文雄の行動で、今の三人が交差する流れに引き込まれていく。善悪だけではない行動の線引き、生易しい友情では片付けられない覚悟。ラストは個人的には残念だが、それが現実的なんだろうというのと、一番すっきり終われるんだろうと。面白かったけど切ないなぁ。2017/08/17