内容説明
東京都の監察医として、5千体の解剖、2万体の検死にたずさわってきた。サスペンスドラマですっかり一般的になった監察医は生きている人間ではなく、亡くなった死体と向き合う。死体から様々なことを読み取るという“仕事”を通じて、逆に人の“生きてきたこと”を読み取る。変死体、殺人、事故、自殺と、死因も様々だ。退官後も多くの経験から死に至る状況を推察し、死因の特定を試みる。時には犯人の心理に迫り、遺体発見のアドバイスも求められる。決して美しくない自殺の実態から、事件の真相など、未解決事件への推理のアプローチなど、監察医の見た“事情”が綴られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ponyo
5
図書館本。大学時代に法学の授業で上野先生の講義を受講して、あまりにインパクトが強くて、それ以来あれこれ著書を読んでいる。殺人、事故死、いわゆる自然死ではない状況で、死者の最後の声を聴いてあげられるのは法医学者だけだという話が頭に残っている。確かにそう。無念もあろうに、自分では叫び声をあげられないのだから、せめて真相だけでも解明できたらって思うだろう。同時に、自ら命を絶つのはいけないとも。2024/11/18
Humbaba
5
死人に口無し.しかし,それは死体から情報が取得できないことを意味しているのではない.加害者のことを最もよく知っているのは被害者であり,その遺体である.不審な死体は,司法解剖を行うことによって多くの情報を提供してくれる.2012/03/21
りんふぁ
3
死人に口なし・・・ではない。ただ監察医制度が全国区ではないから、場所によっては死人に口なしになってしまうのは哀しい。全国区制度にしてほしい。2013/12/01
misui
2
第一章、自殺死体がどうなるかはなかなか興味深かった。飛び降り自殺で体内が破壊され、骨の重みで辺縁性出血が生じるというのは、思ったよりも人間の体は水っぽいんだなと得心がいった。ただ監察医の知見はいいのだが、とにかく自殺はいけない式の単純な倫理観と、退役軍人さながらのアピールには少々鼻白む。淡々と書いてくれればよかった。2011/06/01
Chihoish
1
「死体は語る」はとても面白かった。こちらは内容がかぶるところも多いけれど、興味深い話が満載です。監察医制度が全国区になれば未解決事件ももう少し減るのではないだろうか。アメリカ人に親子心中が理解できないというのもなるほどなぁ〜2016/03/27
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