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内容説明
理解し合えないまま、それでも共に生きる。
夏祭りの苦い思い出を拭えぬまま迎えた新学期。
たすくは、想いを寄せる椿から文化祭の課題を一緒にこなそうと誘われ、戸惑いながらも足を運ぶ。
しかし、すでに顔見知りである「談話室」のメンバーを揶揄する椿の姿に、たすくは困惑と悲しみを抱えることに。
一方、「談話室」メンバーの内海の元に、かつての部活仲間の小山が現れた。
小山は善意から、内海が今「男性として生きている」ことを、部のOG達に知らしめようとするが…?
尾道を舞台に鎌谷悠希が描く性と生と青春の物語、第3集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パンダ侍
24
★★★★☆ 「沈黙は是(正しい)」かもしれないが、黙っているだけでは分かり合えない。分かりたい分かりあえない。椿はたすくを意識し始めるが、自分がコントロールできない。振り回されるたすくだが、それでも胸が鳴る。今巻ではFTMの内海くんが登場。彼の前に手を差し伸べたいという同級生の小山さんが現れる。内海は助けを求めていない。あなたは救われるべきだという小山。同じ船に乗りながら分かり合えない。たすくと椿も同じ船に乗るクルーだ。傷つけあいながら、椿の核に触れるふたり。椿もたすくも僕だと思える。そして、あなただ。2018/07/06
そらねこ
23
LGBTについて理解しているつもりでいても中々難しい事が実感としてわかるお話になっています。ゲイと自覚している男子高生が主人公で、様々な立場の当事者達出会います。好きな彼ももしかしたら自分がそうなのかも…と恐れを抱いているゲイフォビアなのかな…。そして善意全開の理解あるつもり…の非当事者が彼らに向ける非理解。「互いを分かり合えなくても 分かり合えないまま生きていける世の中がいい。」確かにそれは言えるかもしれない。2017/12/05
はるみかん
15
この作家さんによくぞこの作品を生み出してくれた、と感謝。心の中にわだかまりを作りながら、それが何かを認識してしまわないように、鈍感でいなくちゃ、と何かに怯えて生きている私。私は透明になりたい。伝わらなくてもいい、透明でいたい。誰も傷つけたくないし、誰にも傷つけられたくない。この物語はLGBTだけの物語じゃない。2018/07/19
ぐっち
14
安定してると思ってた内海さんに、ずかずか踏み込んでくる小山さん。そして何が本当かわからない椿くん。ほっておいてくれればいいのにそうもいかない。難しい。2024/05/19
すな
12
本読んでて辛かったの初めて(^_^;)胸が締め付けられる思いでした。でもやっぱり椿くん、なんかあると思う。『沈黙は是』かもしれないけど、やっぱり伝えないと分からんよね…(^_^;)2018/01/07