内容説明
元研ぎ職人の栄七は六十歳を超え、静かに暮らしていた。だがある日、捨て子を助けようとして、拐かしを疑われ捕縛される。栄七は二十七年前、弟弟子を誤って殺し遠島となったが、大赦で帰還していたのだ。御用聞きの横暴に、戻り舟の二ツ森伝次郎は激昂する。人を過去で判断するなと解き放つが、栄七を狙う不審な影が――。老同心の粋な裁き、人情沁み入る熱血捕物帖。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
54
南町奉行所の永尋(ながたずね)掛り二ッ森伝次郎の活躍の物語です。 時は、文化三年(1806)。 迷宮入りとなった事件を専らに扱う「永尋掛り同心」二ッ森伝次郎69才は、十一月四日から十二月二十五日までに扱った迷宮入りとなっていた五件の事件を見事に解決します。その鮮やかなこと、そして毒々しくも罪人の肝を冷やす物言いは、読んでいる私も呆れるほどです。2024/06/21
ベルるるる
29
正次郎の成長が、シリーズをますます面白いものにしてる。伊都の人を見抜く力と、正次郎の勘の良さは、やはり親子。タイトル作は、死ぬことで心の安寧を得られる男の悲しい物語。八十郎の親友の話も悲しい。でも、このシリーズは、会話の軽妙さ、活き活きとした登場人物、そして人と人のつながり、そういうモノが、その悲しみを救う。もうすでに次作が待ち遠しい。次作が出るまで、きっと何度も本棚から、既刊の6作を引っ張り出して何度も読むと思う。2017/08/10
長くつしたのピッピ
11
新戻り舟シリーズ2作目。メンバーは老人パワー全開の元同心。現役世代と違い世の中の酸いも甘いも存分に味わっている年代の持つ優しさ思いやりがとても心地よい。憎まれ口を叩きながらも、相手への心遣いを忘れない。罪を犯した人の再生は有るのか、許されることはないのかと考えると切なくなる章もあり、勧善懲悪だけが時代小説の魅力ではないことを再確認。それにしても主人公伝次郎の嫁の伊都のキャラがとてもよい。肝が据わっていて面白い。2017/11/21
ひさか
10
2017年7月祥伝社文庫刊。書下ろし。シリーズ2作目。5話の連作短編。テンポ良いストーリー運びが、楽しい。第4話鼻水垂兵衛のオールキャストによる流れるような捕縛シーンが見事で心に残ります。2017/09/19
コニタン
9
伝次郎を中心に出ている仲間が味があって面白い!臭い話しまでよく書くね!2017/07/15
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