内容説明
なだらかな草原に包まれた惑星みどり、そしてそこに棲む花状の頭部を持った奇怪な植物人〈草人〉たち――銀河連邦のGメン、オージュール・バラジュデーラはたった一人の弟の死を知らされ、惑星みどりを訪れた。しかし、その彼を待ちうけるのは一見おだやかに見えるこの世界の内包するおそるべき真相、またその鍵を握る備忘の花狩人ローエングリン、そして……!? 華麗な文章とカラフルなイマジネーションで第五回ハヤカワ・SFコンテスト第一席入選となった表題作ほか「ハムレット行」「眼狩都市」の二篇を収録する野阿梓の第一作品集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k-p
4
花狩人は大学四年生がデビュー作でこれほどの筆力は中々類を見ない、凄いんではないか、これが十数回あるうち数回しか出なかった第一席の作品か、と思ったが、それ以上の印象はない。三つを読み終えた後だと、ちょっと大人しすぎる。ハムレット行は想像以上に兇天使だった。彷彿とさせられるイメージと、飛び回る様と、オチが。しかし概念的な趣きが強すぎる。眼狩都市はエンタメとしては三つの中では一番。/そして中島梓さんの野阿梓という作家観に対する解説があまりにも的確すぎて何も。野阿梓と少女漫画、という関連付けも豪く的を射ていた。2012/09/22
Mark.jr
3
萩尾望都先生が描いた表紙の通り、少女漫画チック(しかもちょっと昔の)なSF作品集です。ややキザな文体が鼻につく時もありますが、そうした文章と花を狩る狩人という退廃的なイメージと舞台がマッチした表題作が、本書の個人的ベスト。2019/12/05
さとさとし
3
全体的に感情移入しずらかった。 花狩人 銀河政府の調査員であるオージュールは休暇を利用して、花人が存在する惑星に降り立った。弟の死の真相を知るために。主人公の能力の面白さ、真相を隠そうとするものたちとの駆け引きなど、なかなか面白かった ハムレット行き 行動原理も読めず、状況もわかりづらい。 眼狩都市 若きテロリスト組織の幹部であるレモンが主流派から外れ、たどり着いた観光地で所長になり代わり、犯罪組織、眼狩団の目的を暴く。 ハムレット行きに比べると読みやすいのだが、イマイチ物語の肝がわからない。2016/08/28
夏みかん
3
SFマガジンでデビュー作の「花狩人」を読んで、とても気に入ったので図書館でこの本を借りてみた。「花狩人」が幻想的で美しくて退廃的で一番好きだけど、「ハムレット行」も「眼刈都市」も良かった。そして、中島梓さんの解説文はこの著者の特徴を的確にとらえていてさすがだと思った。2016/12/25
けいちゃっぷ
3
超絶!
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