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内容説明
本格的なネット時代を迎え、ますます過激化する一方の「言葉の暴力とウソ」。食品だけでなく、何気ない日常会話にも、偽装と毒はひそんでいる。「何様のつもりだ」「おまえが言うな」「いかがなものか」「ここだけの話」「だから日本人は」「生理的にキライ」「不正はなかったと信じたい」――。言っても言われても、心が傷つく不用意な言葉の数々。これらの〈ひと言〉は、自分が優位に立ったつもりでも、逆に、使った当人の人間性をおとしめるから要注意。皮肉や遠回しな物言いを得意とする人ほど、周囲から見下されてしまうのだ。ミステリー作家の著者が日本語特有の落とし穴を鋭く指摘し、人格急変のトリックも浮き彫りにしながら痛快に綴っている。最終章では、殺伐とした世の中で、心の平和を保ちながら生きてゆける前向きな発想法(「心のクスリになる七つの常備薬」)を紹介。人は言葉で病気になり、言葉で健康になるのだ。「目からウロコの精神衛生本」である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaz
4
日本語が難しいのではなく、言葉を使うということが難しいのだと感じた。相手を慮りながら、自分の意思も適切に伝える。そんなことが出来たなら・・・。私はいつも、言葉で失敗をするので、反省しきりの一冊でした。2016/11/08
鉄人28号
4
☆☆ ネットが普及した現在では、本物と偽物を見極める力がないとデタラメな言論を信じて間違った方向に暴走してしまうことになるという意見はその通りだと思う。「だ・である調」より「です・ます調」の文章の方が書いている人間が偉そうに感じられるという指摘、「人は対立する性格因子の両方を必ず持ち合わせている」という説には、なるほどと思った。罪と罰を区別して考える必要があるという意見にも賛成である。方言の敬語は堅くなく自然な会話に溶け込みやすいということは常々私も思っていることである。2016/09/29
澱緑
2
若者による言葉の乱れはあるが、言葉の進化ともとれるのかと気付かされた一冊。
けいろー
1
普段から使っている日本語に主題を置いているだけあり非常に興味深く、またおもしろかった。言葉を単体としてその意味を考えるのではなく、それを発する側と受ける側、人間の心理状態、相互関係など、多角的に説明・指摘が成されていて理解しやすい。本書に書かれていることは、いちいち気にするほどのことでもないとも言えるかもしれない。だが、普段とは違った見方で、「日本語」の意味について考えてみるのもおもしろいと思う。
かめかめ
1
言葉は恐いものです。 特にネット・コミュニケーションではその匿名性のために、誹謗中傷がなされたり、また“荒らし”と呼ばれる書き込みなどにより閉鎖される掲示板やブログがたくさんあります。 作者はこの本質を鋭くついています。 『ネット・コミュニケーションでは、発信側の表現力ではなく、受信側の人格や心理状態によって、文章から受ける印象が一変する』 のです。 また、ネットでの発言が(ネットに接続さえできれば)誰でも簡単にでき、それ故に書き込んだ内容の質的なチェックがなされず、結果として言論の質の大きな低下を2008/06/23