双葉文庫<br> 二千七百の夏と冬 : 下

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双葉文庫
二千七百の夏と冬 : 下

  • 著者名:荻原浩【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 双葉社(2017/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575520071

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内容説明

紀元前七世紀、東日本――ピナイ(谷の村)に住むウルクは十五歳。野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の噂でもちきりだ。だが同時にそれは「災いを招く」と囁かれていた。そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

144
後半に入ると主人公はかなり様々な経験をします。当然16歳でその生涯を終えるわけですがそこに至るまでの人間としての成長などが縄文人と弥生人との関連からもうまく描かれているように感じました。このような分野の小説も実験的な試みとして楽しめました。2017/08/06

ちょろこ

136
下巻の一冊。上下巻合わせて、一言でいうととてもドラマチックな時間物語だった。ウルクとカヒィ、二人の刻んだ時が読後、長時間にわたる温かな余韻をもたらす。人との運命とも言える出会いを経験し、言葉なんかよりも先に魂が惹かれ合う姿。戦なんかよりも遥か昔からこういう愛の繰り返しと積み重ねによって今が続いていることに想いを馳せずにいられない。現代パートの重ね合わせ、新聞記者の香椰の疑問、心情がふと心立ち止まらせてくれたのも良い。ラストは国籍という括りじゃなく、皆、同じ人間という括りを二人の絡み合う指先から強く思った。2023/04/11

あきぽん

132
2700年前、弥生人のクニに入った縄文人少年ウルクが見たものは…。上巻で森の人・縄文人の生活を書きつくした作者は、下巻で草の人・弥生人の生活を書きつくす。異民族の衝突、文明の進化の代償に失うもの、人間の恐ろしさなど現代的なテーマも考えさせながら、大昔の日本の息遣いを間近で感じることの出来る本だった。私達日本人は、みな縄文人と弥生人が恋をして生まれて来た混血児なのだ。2018/11/21

相田うえお

110
★★★★★20041【二千七百の夏と冬(下) (荻原 浩さん)】ダム建設予定地で手を繋いだ男女の骨が発見された〜!一人は縄文人骨で、もう一人は弥生人骨、何で〜?と、上巻から下巻にこんにちは!上巻のラストはビックリでしたからねぇ。さあ、どうなる!現代パートでのスパイスが縄文パートをさらに美味くしながら、前半は、熊谷達也さんの『邂逅の森』を思い出してしまった熊シーンにドキドキ〜!後半はハラハラ〜ラストで目頭がぁー! これは小説ですけど、実際に発掘された骨にも、それぞれに素敵なストーリーがあるかもしれませんね。2020/04/12

ぷう蔵

105
うーん、なんとも言えない読後感。こんな時代を題材にした本を読んだ事ないからだろうか。これは歴史小説なのか?純愛小説なのか?でも楽しく読ませていただいた。人間同士の諍いってこんな感じで始まったのだろうなぁって感じである。米って確かに至福の実であり、悪魔の実でもあるのかも。実際、日本は江戸時代まで、米の取れ高で武将、州の価値、規模を示していた。現代の地球を考えると石油も同じか…。石油を握ったものが世界を動かせる。第二次大戦もきっかけは石油…。人間は美味いもの、便利なものを味わうと元には戻れない生き物って事。2017/10/20

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