内容説明
ダム建設工事の作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が発見された。二体はしっかりと手を重ね、互いに顔を向け合った姿であった。三千年近く前、この男女にいったいどんなドラマがあったのか? 新聞記者の佐藤香椰は次第にこの謎にのめりこんでいく――。時代のうねりに翻弄された悠久の愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
134
古代縄文時代へ…の一冊。2011年、ダム工事の現場で発見された縄文人と弥生人の二体の人骨。この二人はどんな時を過ごしていたのか…壮大な時を巻き戻すかのように描かれていく物語。縄文、弥生時代=土偶、土器ぐらいしか思い浮かばない自分には新鮮な世界への入り口。何を思い、どんな時を刻んでいたのか、縄文人の少年ウルクの成長と共にその時代を暮らしを追うのが楽しい。ミミナガ、クムゥ、ヌー…言葉を解読するのもまた楽しい。神を崇め奉る時代をまざまざと感じ、新しい地へと足を踏み出したウルクと共に下巻へ。2023/04/11
あきぽん
127
2700年前の日本。狩りをして暮らす縄文人の少年ウルクは、弥生人の少女と出会い、ムラに稲を持ち帰るために旅立つ…。森の匂い、風の匂い、獣の匂い、死の匂いが漂ってくる本。現代人と知性も感性も変わらないが、はるかに過酷で濃密な生を生きる彼ら。これはファンタジーなのか時代小説なのか?縄文・弥生時代に少しでも興味のある人は是非。2018/11/17
しんたろー
117
今月は読書が快調なので、ずぅっと積んであった上下巻に...が、まさかの大苦戦!全く馴染みのない縄文時代が舞台なのと、著者が得意とする軽妙洒脱な会話が殆どないのでページが進まなかった(薬物治療で怠い時に重なった不運もあり)。所々で、2011年の新聞記者・佐藤香揶の物語が挿入するが、メインは2700年ほど前の少年・ウルクが小さな村から出て、新しい世界を知りながら成長してゆく話…彼が一人で奮闘する姿と大昔の世界が段々とイメージ出来るようになって面白くなってきた。香揶がどう影響を受けるのか想像しつつ、下巻へGO!2026/07/12
相田うえお
108
★★★☆☆20040【二千七百の夏と冬(上) (荻原 浩さん)】現代と古い時代の2ステージ構成。古い時代って戦国時代?いやいや、室町?いやいや、鎌倉?いやいや、えーと、縄文時代!わお〜ぅ!本作品内固有名詞、イー とか カァー とか ヌー とか、区別つかねぇ〜!それはまだ序の口で、アゥオラス とか、カンジェツチィ とか カゥワイワ とか、まともに発音出来ねぇ〜!右見ても左見てもカタカナばかりで分からねぇ〜!でも、そこは荻原さん作品、頭ヒッチャカメッチャカで理解できなくても面白く読めちゃうのが凄い!下巻へ!2020/04/11
あも
96
新聞記者の香椰は工事現場から出土した古人骨の取材に訪れ、二千七百年前の縄文人の少年の骨を見る。その骨は渡来系弥生人の少女の骨と手を握り合っていた。この記者のパートが合間に挟まるが、メインは骨の持ち主である縄文時代の少年ウルクの物語。死んだ父のせいで勇気ナシの子と呼ばれながら、成長していくウルク。狩猟採集生活への憧れをかき立てられるが、上巻では、狩りの様子、迷信や掟、海の民との交易…といった世界観描写に筆が割かれている。時折、先の展開への種は撒かれるが、強く惹きつけられる程ではない。物語が動き始め、下巻へ。2018/08/13




