大惨事と情報隠蔽 原発事故、大規模リコールから金融崩壊まで

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大惨事と情報隠蔽 原発事故、大規模リコールから金融崩壊まで

  • ISBN:9784794222954

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内容説明

福島第一、トヨタ・リコール問題、メキシコ湾原油流出、サブプライム危機、エンロン事件……

業種も時代も超える、大惨事の共通項が明らかに!

人はなぜ《危険》を隠したがるのか?
リスクの無視、非共有、あからさまな隠蔽を、人々にさせる組織の特徴とは?
それらはどのように、「想定外の大惨事」へと結びついていくのか?

原発事故や原油流出などの工業分野の大事故だけでなく、軍事的失敗や感染症大流行などの社会的事件、自動車の大規模リコールや医療製品不正製造などの消費者問題、さらには銀行破綻や金融崩壊などの経済危機まで、幅広い分野の事例を検証。それら大惨事に共通する人的要因=情報隠蔽の実態を明らかにし、その原因と対策を示す。

〔本書で扱う事例〕
ヴィオントダム災害(1963年、イタリア)
スリーマイル島原子力発電所事故(1979年、アメリカ)
ボーパール化学工場ガス漏れ事故(1984年、インド)
スペースシャトル・チャレンジャー号爆発事故(1986年、アメリカ)
チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年、ソ連)
エクソン・ヴァルディーズ号原油流出事故(1989年、アメリカ)
ウファ鉄道事故(1989年、ソ連)
ラスパドスカヤ炭鉱爆発事故(2010年、ロシア)
福島第一原子力発電所事故(2011年、日本)
水俣病(1932-1968年、日本)
サバールのビル崩壊事故(2013年、バングラデシュ)
ディープウォーター・ホライズン油流出事故(2010年、アメリカ)
ベアリングス銀行の破綻(1995年、シンガポール・イギリス)
エンロン事件(2001年、アメリカ)
サブプライム住宅ローン危機(2007-2008年、アメリカ)
ドイツ軍侵攻に備えられなかったソ連赤軍(1941年、ソ連)
SARSの世界的流行(2003年、中国)
クルイムスク地区の洪水(2012年、ロシア)
豊胸用シリコンの不正製造(1993-2010年、フランス)
トヨタ大規模リコール問題(2000年代、アメリカ・日本)
フォルクスワーゲン・ディーゼル排出ガス不正(2000年代-2010年代、アメリカなど)
ソニーのバッテリー・リコール問題(2006年、世界規模)ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

59
心の弱さの齎す人災。欲と責任。前者は金銭・権力・名誉など、後者は胆力の有無。本著の文書構成が、これらをより鮮明化。事例が示す人が繰り返す愚かさ。故に、本著も提言する改善プロセスや仕組みに新鮮味がないのも至極当然。失うものとは、人、生き物、そして自然。お金で買えない大切な何かである・・・。自然への冒涜と、自然からの教え。そんな読後感。学校教育でも、事象のみを取り扱うのではなく、真の原因を含めたLLの教育が、必要な気がする。2018/03/01

更紗蝦

28
情報隠蔽によって起こった大惨事の事例を分析し、そこから導き出される普遍的要因を提示し、これからのリスクマネジメントに実践的に活かすことを目指して書かれた本です。組織論や心理学の視点があるのはもちろんのこと、政治面での分析もかなり鋭く、福島第一原発事故の事例では自民党政権の責任に言及しているところが凄いと思いました。ただ、人の命に関わるリスクが「死者の人数」だけで分析されているふしがあり、スリーマイル島原発事故の健康被害が明らかに過小評価されているのが気になります。2018/11/29

Shin

15
スリーマイル島原発事故、チャレンジャー号爆発事故、サブプライム危機、そして福島原発事故。歴史に残る工業的・商業的大惨事に共通するのは「情報の不適切な取り扱い」にあるとの観点から、事故・不祥事の詳細なケーススタディを行い、そこから得られる教訓を提示する。惨事を防ぐために必要な情報は、たいていの場合存在する。ただ、それは短期的な利益志向や、上から良く見られたいという組織的配慮などから隠蔽され、活用されないままに終わってしまう。人間は組織を作らねば大きな仕事はできないが、不正直が生み出すのは大きな厄災である。2018/10/22

Hiroki Nishizumi

4
人間の姑息さは世界共通だと感じる。要因を30に整理しているのは参考になった。2019/08/22

takao

3
ふむ2022/09/05

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