張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八

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張作霖:爆殺への軌跡一八七五-一九二八

  • 著者名:杉山祐之【著】
  • 価格 ¥2,288(本体¥2,080)
  • 白水社(2017/10発売)
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  • ISBN:9784560095348

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内容説明

東京裁判以来、日本では、張作霖爆殺事件に関する膨大かつ詳細な調査・研究が積み重ねられてきた。しかし、満洲(現・中国東北部)に生まれ、清朝末期から中華民国初期の軍閥の時代を生きた人間としての張作霖の全体像は、ほとんど知られていない。
本書は、基本史料はもとより、改革開放後、とりわけ2000年以降に公開された史書、報道、論文の類に依拠し、張作霖の生い立ちから爆殺に至る軌跡を再構築したものである。草莽から身を起こした張作霖は、けた違いの器量によって乱世を駆け上がっていく。匪賊を斃し、モンゴル兵と死闘を演じ、常勝を誇る大軍閥と激突、革命軍にも白旗を掲げることはなかった。満洲を勢力圏とする日本に対しては、その力を利用しながら、傀儡の道を選ぶことなく、最後は日本軍に殺された。
側近や仇敵らのサイドストーリー、日本側の思惑などを盛り込んで、張作霖の人物像と時代の空気を重層的に描くと同時に、激動する近代中国の実像に迫り、遠くない未来に奈落が待ち受けている日本の運命を浮き彫りにする力作である。『覇王と革命』(小社刊)で軍閥混戦の時代を描いた著者が満を持して放つ本格評伝!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スター

60
大変読み応えがありました。貧乏な家に生まれた張作霖が、やがて日清戦争で活躍。 中華民国建国後は内戦状態になる中華民国内の武装勢力の1つを束ねるリーダーとして頭角をあらわすのだった。 中華民国の初期の頃は、ちゃんと投票で指導者を決めていたのには驚きました。その後の中華人民共和国が一党独裁になってしまったのが残念。2019/11/15

さすらいの雑魚

30
浅田次郎の中原の虹やマンチュリアン・リポートの副読本に最適で、この本も抜群に面白い♪ 覇王と革命 を書かれた杉山祐之の作で清末民国初の軍閥領袖で日本にも縁の深い張作霖の野望の軌跡を描く。中原の虹では描写が少なめだった軍閥戦争の様相が詳述されており、満洲馬賊の総攬把 白虎張と 祝健康弟兄、壮揚兵馬 の旗の下に集った彼の壮士たちの中原に虹を追い続けた激闘の日々とその結末とを堪能できるぞ♬目に一丁字無く草莽より崛起し馬上より大国の天下を狙うという浪漫溢れる英雄譚の、おそらく最後の例になる伝説的生涯の物語。2021/05/26

BLACK無糖好き

17
前作「覇王と革命」を読んで、この著者只者ではないと思ったが又やってくれた。草莽から乱世を駆け上がり、東北王まで登り詰め、最後は日本の軍人に爆殺された張作霖の生涯を鮮やかに描き出した快作。この時代の軍閥の勢力争いはまさに三国志さながら。そこにソ連、日本の思惑も絡み合う。日本の力を利用はするが飼いならされず、傀儡にもならなかった故に殺された。この点、中共は"愛国の英雄"として美化し再評価の傾向が強まっているが、資料参照でこの手の評価は慎重にフィルターにかけたそうだ。さすがこの人只者ではない^^; 2017/03/16

フンフン

8
張作霖の本格的評伝。無学文盲の馬賊上がりと思われた張作霖は、配下に心服される将領の度量を備えていた。そうじゃなきゃ満州を支配はできないよね。張作霖が生きていたら西安事件はあり得なかった。毛沢東が中国を支配する事態も避けられたかもしれない。結果から見ると、張作霖を爆殺した連中が全中国の赤化と日本の惨敗をもたらしたわけだ。満州事変のとき昭和天皇は「奉天を張学良に還(かえ)してしまえば問題は簡単ではないか」と言った。聖慮無視で突き進んだ軍部が日本を滅ぼしたのだ。2025/05/17

相馬

8
傑作「覇王と革命」の杉山さんの新著は、張作霖。これも大変面白かった。緑林、匪賊上りとされてるが、実際は2か月しかいなかったとか。大軍閥になれたその人間的魅力、長所などがよく分かった。また、外から見た清朝、袁世凱の没落もよく分かった。そして、反共、東三省のために日本と結びながら決して言質を与えない姿勢が悲劇を生む。それにしても、当時の日本、日本人の思い上がった傲慢な態度、暴走する軍部には、言葉も出ない。2017/04/21

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