内容説明
【吉川英治文学賞受賞作】1876年猪苗代湖の貧農の家に生まれた野口英世は、母シカから受けついだ天性の忍耐力で肉体的なハンデを乗り越え、医学への道をめざす。周囲の援助で21歳で上京。北里研究所を経て、横浜海港検疫所、ペスト防疫のための清国行き、同郷の山内ヨネ子への恋の破綻。やがてアメリカに渡っての研究生活。若き無名時代の苦闘の日々――。人間野口英世の生命力あふれる半生を赤裸に描く伝記小説。
目次
序章 メリダにて
第一章 猪苗代
第二章 会津若松
第三章 芝伊皿子
第四章 本郷時代
第五章 北里研究所
第六章 横浜海港検疫所
第七章 清国・牛荘
第八章 神田三崎町
第九章 旅立ち
第十章 フィラデルフィア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふぇるけん
18
野口英世ってこんな人だったのね。。。というのが第一の感想。学業に対する執着力はすごいのだが、お金の浪費っぷり、遊郭通い、あらゆる知人に借金しまくってそれをことごとく踏みたおす胆力?など、この一冊を通じて私の中の野口英世像が大きく修正されました。やはり大きなことを成し遂げる人は後先を考えない大胆さととてつもないバイタリティを備えているものだと妙に納得できました。2014/03/13
湖都
15
野口英世の伝記。著者が野口の足跡を辿った記述や豊富な手紙資料などをふんだんに使い、偉人・野口英世像を壊し新しく打ちたてようとしている気持ちが伝わる。そもそも野口英世についてはほぼ何も知らなかったのだが、上巻を読み終わった今の段階では勉強熱心な詐欺師のようだ。お金にだらしなく、整理整頓はできない。人に頼りっぱなしで、大口を叩く。人付き合いもあまり上手くない。ただ、語学の才能と諦めない力は相当なものである。一芸に秀でていれば、人間的にひどくても偉人になれるものなのか。そんなものかもしれないな。2019/02/07
sawa
13
郷土の偉人として刷り込まれていたが、実態はあまりにもヒドイ。抜群に頭が良いのと向上心は認めるとしても、人間性と自己管理能力と空気読まなさ感は小学生以下。特に金遣いに関しては学習能力ゼロに等しい。といっても、この型破りさが魅力でもある。人格者で業績をあげた偉い人じゃ、こんな面白い(?)ドキドキハラハラな伝記にならないもんね。それにしても狂人的に借金を踏み倒しまくった人がお札になるとは、なんという皮肉。2013/08/07
コジターレ
12
以前読んだ『花埋み』が面白く、渡辺淳一が書く伝記小説を他にも読んでみたいと思っていた。本作では野口英世を描いている。野口英世の知られざる素顔が非常に興味深い。浪費癖、借金癖、法螺吹き、根深いコンプレックスなどを巧みに描くことで、研究にかけるひたむきさやエネルギーの強さが際立つ。こんな男に惚れて金をむしり取られ続けた男の気持ちが分かる気がした。続いて下巻へ。2016/09/25
又三郎
11
野口英世本来の姿が描き出されたと思える伝記。英世が金に粗い(なんてレベルではないけど)ことは知った上で読んだのでその点には驚かなかったけど、他の人も打算づくで動いてて、もう登場人物みなゲスい(笑)。シカと清作の親子の愛情も事実なんだろうけど、むしろイヌや清三の方に同情心がわいた。試験の時に聴診器を忘れたエピソードについては、子ども向け伝記(作者は馬場さんだったか?)では無茶苦茶美化されてて(聴診器を貸したことによって合格したみたいな感じになっている)、本当にここまで毀誉褒貶の揺れ動く人物は珍しいと思う。2014/01/10
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