内容説明
作家の内田康夫は、カンヅメになったホテルで間宮老人と知り合った。翌日、刑事が来訪し、間宮が行方不明だという。前夜、間宮とも思える声で「鞆の浦へ行きな」という妙な電話を受けていた内田は、不審に思いルポライターの浅見光彦に相談した。そこに間宮が戻ってくるが、内田の知る間宮とは別人だった。そして広島県鞆の浦で殺人事件が起き、浅見は惹きつけられるように現場へ向う。長篇推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がたやぴん
51
著者が登場し光彦が事件解決へとつながる作品。予想どおり光彦初登場の際に出会った刑事が転勤先として所轄にいた。懐かしいとは思うがあの事件を思い出してしまう。とは言え、本作は練りこまれた作品で、最初の数ページの伏線をどう回収するかという著者には珍しいパターン。大企業と地元民の利害関係の縺れという部分はこのシリーズのお約束だろうとナメてましたが、途中のヒントを見落とし光彦にはおよばず。真相はなるほどといった感じ。本格好きする派手なトリックや叙述を用いないとわかっているだけにヒントを見落としたことが悔しい。2015/10/30
晴歩雨読
0
作家本人の内田康雄氏が登場する奇妙な設定だが、こんな展開もあるのかなと思った。 内田康夫氏の推理小説は気楽に楽しめる。2016/11/22
葉
0
著者である内田康夫が登場し、間宮という人物と出会い、その間宮が行方不明になって再会したときには違う姿になり、そこに殺人事件が関わってくるストーリー展開である。鞆美に求婚するところは面白みがあった。著者の作品には長崎殺人事件という書籍から自分を登場させているとのことで、登場人物の名前を思い浮かべるのも一苦労で、友人の名前を無断で使用しているらしい。こういうことも珍しいと感じた。2016/06/03
さばきち
0
最近連続して浅見光彦モノを読んでるけど、ちょっと違うのも読みたくなってきた。花粉攻撃から思考を逸らすことができる読書の時間は貴重です。2018/04/14