内容説明
闘将・織田信長は大軍を率い、「天下布武」へ向け着々と歩を進めていた。強大な信長軍に、どう立ち向かうのか。偉大な祖父・毛利元就から大藩を受け継いだ輝元。戦国の世を成り上がった宇喜多直家の嫡男・秀家。そして上杉謙信没後、景虎との家督争いを制した景勝。「三人の二代目」は家の存亡を懸け、信長軍との対峙を強いられる。和平か、それとも合戦か。家臣・親族の意見に翻弄されながら、二代目たちは苦難の道を行く――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
21
「創業と守成、いずれが難きか」、比較できない…。無責任なことを言うと、だからこそ本テーマを描く小説は否応なしに創業者・後継者の千姿万態に迫るため抜群に面白い。本書でタイトル通り上杉、宇喜多、毛利の二代目に焦点をあてる。冒頭から、創業者は「苦労が多い」、後継者は「苦心が多い」…労と心の違いが如実に異なる難しさを表す。単に調整型の役割をミッションと自分に言い聞かせて…と事が運ばない葛藤が生々しい。人であるところの証左で、本書の読み所かな。各人(3名)の人模様が丁寧に描かれており非常に読みやすい。下巻が愉しみ。2020/04/08
スミノフ
15
構成が面白い小説です。同じ時間の越後・備前・安芸を、どこでもドアで行ったり来たりしているような感覚です。 私も家業の三代目なのでよくわかりますが、医大な先代が残したシステムは、成功体験があるだけに変えにくいもの。それが足枷となり身悶える姿(特に、毛利輝元)に、共感しきりでした。2021/05/10
タカボー
10
三人の二代目戦国大名、上杉景勝、毛利輝元、宇喜多秀家。これらを主役で読める本はまず無いし、それを主人公にするのが堺屋太一さんらしい。一つひとつの話が丁寧で、背景とか繋がりとか知識の隙間を埋めてくれる感じが心地よい。3つの視点で平行して話が進行していく。上巻は宇喜多の話がインパクト強い。小西行長の活躍が出色。それから宇喜多直家夫人お福のクレバーぶり。出来すぎて逆に怖いわ。嫌われたら軽く消されそう。2021/01/24
Mark X Japan
6
タイトルに惹かれました。3人とも偉大なる創業者の後継としての苦難の道のりを歩んでいます。上杉と毛利は同じような過酷な境遇で、宇喜多は順風満帆です。一寸先は闇の時代なので、多くの荒波をどのように乗り越えていくのでしょうか。☆:4・52017/10/29
yuya
5
上杉景勝、宇喜多秀家、毛利輝元の3人の2代目の物語。2代目は初代の功績を守りながら、それを発展させていくべきプレッシャーがあり、かつ上手くいったとしても初代のおかげと言われ、2代目は色々と難しいですね。下巻はどんな感じで物語が展開していくのか、終わりを迎えるのか楽しみです。2017/12/29
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