フィリップ・K・ディックの世界

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フィリップ・K・ディックの世界

  • ISBN:9784309207339

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内容説明

何がほんとうだったのか?PKDの生涯の秘密、創作の背景――フィルの盟友ウィリアムズが長年の取材と鋭く深い洞察でフィル独自の世界観に迫った唯一無二のロング・インタビュー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

97
周囲を比較し/され、「お前は変だ」と言われる事で自分も信用できず、孤独による脆さと虚勢を抱えても生を続けていく。そんな気が狂うような他者や理性的な自己との断絶を哀切さを込めて思索的に描いたフィリップ・K・ディックの人なりを知るインタビュー集。因みにディックは自分の部屋が爆破されているのを発見した時、「良かった、(狙われていると思っていた)自分は狂っていなかったんだ!」と安心したそう。ディックは真の意味での作家だった。そしてディックがプライベートのない世界を予見していたことも注目すべきだろう。2017/12/14

阿部義彦

23
著者のポールは若くしてロック評論誌をつくりSFファンでもありディックの友達となる。2度目の結婚は日本のフォークシンガー金延幸子と結婚して二児をもうけている、83年にディック協会を創設し彼の死後著作権を任されました。ローリング・ストーン誌に載ったインタビューが元です。71年11月17日に、ディックの家で大掛かりな爆破による盗難事件(オーディオと書類、原稿下書き、そして古い小切手が無くなる)があり、それに対する前後の経緯や類推(結局迷宮入り)が主な話題。その他アンフェタミン中毒による入院や女性達の事など。2017/10/08

Bo-he-mian

17
かつてペヨトル工房から出版されていた『フィリップ・K・ディックの世界-消える現実』待望の復刊。盟友ポール・ウィリアムズによるロングインタビューで、本書を読むと、ディックのあの強迫観念・被害妄想的な世界観は、実はディック自身が生涯に亘って体験していたものの投影だという事が判る。アメリカというのは本当に恐ろしい国で、表向きには「自由」「正義」を謳っているが、自分らにとって都合の悪い存在は闇から闇へと葬っている・・・そこが判りやすい独裁国家よりよっぽどたちが悪い。おそらくディックも当局に目をつけられていたのだ。2018/12/08

フロム

13
びっくりした。何が驚いたってディック自身が小説の中の住人そのまんまだったという事。例えば住居不法進入や奥さんとの離婚理由等どこまで本当でどこまでが妄想や自作自演なのか、その境界は読者もインタビュワーもそして著者自身判別不能。「おろ?俺、何でこんな所に突っ立っているんだ」と言うディックの所在と現実感の無さ。そして巨大な存在に常に監視され、運命を先導されている認識は一貫しておりそれは小説を書いている間つまり一生涯変わらない。付き合わされる警察とかも超大変そう。僕が管轄のおまわりだったら転属願い出しちゃうかも。2018/05/17

ナカユ〜、

4
インタビューでは、あけすけな感じも見受けるが、非常に個人的、超個人的な意見としては涙が止まらない。もし自分が心の奥底のド底辺にも微塵もこの日常に何も疑うことなく正常な毎日を過ごせていると感じている人がいれば、その人は完全なパラノイアであろう。2017/11/07

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