文春新書<br> 暴かれた伊達政宗「幕府転覆計画」 ヴァティカン機密文書館史料による結論

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文春新書
暴かれた伊達政宗「幕府転覆計画」 ヴァティカン機密文書館史料による結論

  • 著者名:大泉光一
  • 価格 ¥795(本体¥723)
  • 文藝春秋(2017/09発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 175pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611386

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内容説明

戦国の英雄として有名な伊達政宗。彼は、徳川の世になっても、天下取りの野望を捨てず、家臣・支倉常長をヨーロッパに派遣し、ローマ法王の援助を得て、幕府を転覆しようとした――こういう話は昔からあったのですが、定説ではありませんでした。
ところが、これは事実だったのです!!
ヴァティカン機密文書館庁には、カソリック教会にかかわる2000年間の秘密史料が厳重に保管されていますが、その中に、政宗が「カソリック王」に叙任されることを願い出た証拠が、ちゃんと残っていたのです。
では、なぜ、その野望は実現しなかったのか?
歴史好きはご存知のように、政宗は講談などで描かれる豪快な人物なのではなく、じつに細心、もっといえば臆病極まりない男でした。失敗したときに、どうやって言い逃れるかを考えてからではないと行動しないタイプだったのです。
この遣欧使節でも、幕府にバレたときの対応を周到に考えました。自分自身は洗礼を受けず、いざとなったら腹を切らせるため、下級の家臣を遣わしてローマ法王を丸め込もうとしたのです。でも、そんなのうまくいくはずありません。 ローマ法王庁から、「カソリック王にしてくれ、と言いながら、本人がキリシタンじゃないのは、おかしいんじゃないの?」とツッコまれ、支倉たちも、「まー、そーですが、心の中では信仰はあると思うんですよね~」などと、苦しい弁明につとめますが、結局、ローマの返事はノー。政宗の野望は潰えたのです。
筆者は中世のスペイン語、ポルトガル語、スペイン語、ラテン語に精通し、原史料を精緻に翻訳して、この結論にたどり着きました。
戦国ブームの中でも、もっとも人気の高い伊達政宗の人間像ががらっと変わる、画期的な新書です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

40
ヴァチカン機密文書館資料による政宗の「幕府転覆計画」。本当にこの計画はあったのでしょうか。あったとしたらどのような駆け引きが行われていたのか気になります。仙台慶長遣欧使節の真の目的に迫っているのも謎ですね。果たして政宗はどこまで本気で幕府転覆を考えていたのでしょう。政宗は前から気になる武将でしたが、この本を読んでますます興味深くなりました。2025/02/25

春風

13
ヴァチカン機密文書館に眠っていた史料を紐解くことによって、再び陽の目をみることになった政宗の「幕府転覆計画」。本当にこの計画はあったのか?どのような駆け引きが繰り広げられていたのか?帯の「戦国日本のダヴィンチコード」という謳い文句の通りのエキサイティングな論考。過日、慶長遣欧使節派遣400周年を迎え、その認知度も増した。本書はその仙台慶長遣欧使節の真の目的に迫る。自分は、この計画は政宗の生来のパフォーマンス気質にも起因する計画であると感じたが、果たして政宗当人は如何程の本気度で臨んでいたのであろうか?2018/03/30

FKtaro

3
著者の思い入れバイアスがかかっているので、すべてを鵜呑みにはできないことを前提としても、とてつもなく壮大な陰謀論で面白いですねー。江戸時代の正宗がローマ法王に助力を請うて全国30万人のキリシタンと共に蜂起しようと計画していたなんてロマンがあるじゃありませんか。初めて聞いた話なので、なかなかに面白いです。ケチをつけるより楽しく読むのが粋ってもんでしょう。反論を唱える本があればさらに楽しめそうですが。2017/12/16

パット長月

2
著者の長年の研究の集大成だそうだが、余りに簡潔に過ぎ、おまけにこちらに支倉常長に対する知識も、思い入れもほとんどないこともあり、非常にもったいない?というか、著者に申し訳ない読後感となった。ただ、本書を読んで、自分の伊達政宗に対するイメージが、悪い、あるいは、少なくとも「彼も人の子」と、ヒーロー色が甚だ薄まる方向に傾いたことは間違いない。たぶん、我が国の歴史にとって、政宗の計画が不成功に終わったことは、幸いであったように思う。2017/11/09

不純文學交遊録

2
10年早く生まれていたら天下を獲れたと評される一方、三代将軍徳川家光に率先して恭順の意を表した逸話でも知られる伊達政宗。ヴァティカンが所蔵する慶長遣欧使節関連史料の研究をライフワークとしてきた著者が、政宗の倒幕計画が真実であったことを示す。当時の日本の情勢は、ヨーロッパにもかなり詳しく伝わっていたようだ。最近の新書にしてはかなり薄いので、すぐに読める。2017/10/30

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