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内容説明
流行に敏感な中間層が急速に形成されつつあるアジアのグローバル都市。日本で技術を身につけ腕を磨いた人々が、そうした都市をめざし移住を始めている。彼らが提供する高度な技術とサービスは、現地の消費欲求に応え、徐々に都市のライフスタイルを変化させている。彼らはなぜ移住を決意したのか? どのような日本のサービスがアジアでうけるのか? 彼らを鍛えた日本の仕事現場こそが、グローバルな価値を生み出しているのではないか? 香港の寿司店、バンコクの美容室、シンガポールのバー、台北の日本語学校など、日本人海外移住者が働く現場を分析し、日本の仕事が創る価値を見つめ直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
31
日本で熟練の域に達しても、職人の高齢化により、なかなか活躍できず、海外へ活路を見出した職人たちのルポ。興味深い。2019/10/02
Nobu A
9
青山玲二郎著書初読。17年刊行。海外、特にアジア都市に移住する日本人達。香港の寿司職人、バンコクの美容師、シンガポールのバーテンダー、台北の日本語教師に焦点を当てインタビューを通して彼らがどんな思いで仕事を従事しているのかを浮き彫りに。文脈に沿って巧みに歴史を遡り、国際比較データ等を用いての明晰な分析と考察。実際は多種多様な仕事に携わる日本人が存在するのだろうが、構成を意識した焦点化で読み易くしている。あとがきのグローバル人材の再定義の提唱が秀逸。海外で活躍する職人気質の日本人をより深く知ることが出来た。2023/01/30
Humbaba
5
技術を身につけることは大切である。ただし、そこばかりに着目して心を磨くことを怠ってしまうと、独立した後で何が理由でうまくいかないのかを見つけるのに苦労する。それがわかっているからこそ育てるときに説明しようとするが、説明したとしてもそのときに判ってもらえるとは限らないのが難しいところである。2018/02/23
Kota
2
最後の方に著者が指摘している、グローバル人材の二つの意味だけでも一読の価値がありります。本書に登場する日本の職人たちが提供している価値は、間違いなくグローバルに通用するポテンシャルをもっているし、それを実証しはじめている。2017/10/06