出版社内容情報
動物行動学研究、学会創設、翻訳、エッセイ、所長や学長の職務・・・・・。それらの活躍を可能にしたのは、常に適切な人物を選び、共に活動して新しい地平を拓く「口説き」だった。稀有な知的営みを、多彩な書き手が伝える一冊。
内容説明
軽やかに生きた軌跡を29人の証言で辿る。
目次
フランスにおける日高行動学(岸田秀)
マウンティング(内田春菊)
どうせ動物行動学で全部説明されている(山下洋輔)
氏の語学力はつとに有名である(羽田節子)
「拝啓リュリ様」(安野光雅)
日高敏隆の櫛と鏡(赤瀬川原平)
映画『もんしろちょう』の日高敏隆(羽田澄子)
師に学ぶ(保賀昭雄)
人間という生き物を知る(桃木暁子)
昆虫写真家の誕生(栗林慧)〔ほか〕
著者等紹介
小長谷有紀[コナガヤユキ]
文化人類学者。専門はモンゴル・中央アジアの遊牧文化。国立民族学博物館教授
山極寿一[ヤマギワジュイチ]
人類学者、霊長類学者。京都大学大学院理学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
119
生物学者の日高先生が亡くなった時の追悼文集です。ものすごく広い分野の人々とお付き合いがあったようで、ええこんな人とも親交があったのだということで楽しく読ませてもらいました。普通学者の追悼文集というとその人の業績や弟子たちだけで堅苦しくなってしまうのですがこれはまるっきり違います。私も追悼文とは知らずにあの日高先生がどのようなことを書いているのだろうと思って読みましたが。まあ違う期待外れで楽しめました。2016/02/01
なめこ
6
氏と関わりのあった人々による追悼文集。岸田秀、赤瀬川源平、栗林慧、今江祥智、山下洋輔、、。生物をあまねくフラットに、見て、考えていた人なんだなあと思うと共に、そのフラットな調子でヒトのメスにも活発なフィールドワークを展開していたというから、さらに興味をそそられました。ご著書だけでなく訳書も読んでみたくなった。読み物としては玉石混淆でちょっと残念だけれど、それだけ幅広い交遊関係だという記録なのかしら。2015/10/14
ともも
5
日高先生は23ヶ国語を操り、奥様は元女優。やっぱり凡人とは違う。先生は「論文ばっかり書いていてはダメだ」と。夫のボスに聞かせたい!講演会で鳥の真似をされていたお姿を思い出す。もう少しで先生がこの世を去られて一年になるのか。2010/10/20
どん
4
追悼文集とは知らなかったが、日高先生の交流の広さ、懐の深さを感じることができる。子供のころに著書の一部や映像に触れていたのだろうと思う。研究者、指導者としての一つのお手本だと思う。先生自身の著書を読もう。2020/08/11
Hiroki Nishizumi
4
表題につられて読んだが、そもそも日高敏隆の本を読んだことが無いので順番を間違ったな。2020/02/07