悪魔が来りて笛を吹く

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悪魔が来りて笛を吹く

  • 著者名:横溝正史
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 出版芸術社(2017/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784882933182

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内容説明

没落貴族を震撼させる悪魔誕生の禁忌(タブー)フルート奏者・椿英輔子爵が謎の失踪、一ヵ月後に遺体となって発見される。「このうちには悪魔が棲んでいる」失踪直前に娘に語った言葉は何を意味するのか。 子爵作曲のフルート曲と共に始まる連続殺人事件。貴族達がかくしている世にもおぞましい「悪魔誕生」の秘密とは?! 戦後、全ての特権を剥奪された貴族階級を舞台に、「閉鎖された田舎」とは一味違った雰囲気でおくる本格探偵小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

42
タイトルが美しいですよね。物語と題名が綺麗に絡み合う場面では鳥肌が立ちました。悍ましい空気が全体に流れているだけでなく、切なさもあり、一気に読ませます。恐ろしいけれど面白い。次々に人が死ぬのに華麗な悪を感じます。2024/11/19

assam2005

25
なかなかの物量と陰湿さに閉口しながら、後半は一気に読了。戦後まもなくが舞台である金田一シリーズ。閉鎖的空間と因襲、恩讐、差別用語のフルコース。現代の推理ものとは路線が全然違う。TVドラマで観ていたので私自身「昔ってそんな話多かったな」と思うくらいなのですが、今の子供たちがこれを読んでどう思うのか、聞いてみたいところではあります。編集し直して発行されているので表現はかなりソフト。それでも根底のテーマがテーマだけに…かなり重たい。これがこの当時の「悪魔の所業」。現代の「それ」はジャンルが違う気がします。2018/08/15

しんすけ

17
久しぶりの横溝正史だが、江戸川乱歩より親しみやすいことを改めて感じる。 金田一耕助というキャラクタが朴訥なこともその一因だろう。 先日ミルンの『赤い館の秘密』を読んだが、その登場人物ギリンガムから横溝正史が金田一耕助を思いついたと書いてあった。 そういわれてみれば明智小五郎のような思わせぶりなところが金田一にはない。 読者とともに謎を解明していくという雰囲気がある。 ゲーテの『ヴィルヘルム・マイステル』がこの作品の基調をなしているのが初読から印象深い。それは悍ましいものでもあるのだが。2022/08/23

koji

9
読書の契機はカササギ殺人事件。これに刺激され、日本の本格推理小説も1冊と思い手に取りました。「今更これ?」と思われそうですが、BSプレミアム「深読み読書会」で、同じ著者の「悪魔の手鞠唄」を、綾辻・道尾・関川等稀代の手練れが喧々諤々の深読み論を闘わせ、抜群に面白かったことが頭に残っていて(悪魔繋がりの?)本書にしました。トリック・シチュエーションとも堪能しました。最後に私の深読み。戦前までの暗い因習や退廃を葬り去ること、それを担うのは若い女性の聡明さと強かさ。著者の自由・民主への強い期待を根底に感じました。2019/02/11

よみ

8
このシリーズを読み始める前は、何故だかこれが1作目だと思っていた。 タイトルの美しさが凄まじい。 綺麗に題名にかかるラストシーンでは鳥肌が立った それにしてもよくもまぁ、こんな百人が読んで百人がおぞましく感じるであろう話を思いつくものだ… ずっと血縁のことで苦しんできた美禰子が最後に父親のことを「弱いひとではあったけれど、正しい、親切なひとだったってことは、一彦さん、あなたも認めて下さるでしょう」と評し「身にしみこんだこの暗いかげを洗い落としましょうね」と語りかけるところで泣けた。 2023/05/31

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