内容説明
佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化!
老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。
「究極の悲劇は喜劇だよ」
辰彦はそういった。
それにしても、どうして普通じゃ滅多にないことばかり起るのか。
当時の文学仲間たちはもう誰もいない。
共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。
あの歳月はいったい何だったのか?
私は辰彦にとってどういう存在だったのか?
杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。
枯淡の境地で、杉が得た答えとは。
『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オカピー
46
90歳の頃の自伝的作品。感想は下巻読了後に。佐藤さんは今、103歳になるのでしょうか。「90歳。何がめでたい」の映画を見て、読み始めた作家さんです。2026/01/24
ココ
27
九十歳目前とは思えぬ強い筆致の自伝的小説。間に「梅津玄への手紙」として「今」の心境が綴られるが、年老いた弱音も感じられ、佐藤愛子のファンとしては、堪らない一冊。後半へ。2018/08/29
禁酒パンヤ
5
久しぶりの佐藤愛子さんです。ご自身の人生の回顧を織り交ぜた小説なんでしょうね。ダメ男でも、信じてしまう。恋の力なのでしょうか。後半も読みます。2018/05/08
桐葉
3
作者がモデルと思われる主人公は,たよりにならない夫を見限り自分自身の筆一本で生活していく。なんか大変。2020/07/07
snakedoctorK
2
佐藤愛子先生のエッセイを読んで読みたくなったので読み始めました。 エッセイの軽妙な文体とは違い、どっしりした文体で読むスピードがあがりませんでした。 ソクラテスの妻 読んでみたいなぁ。2025/06/07




