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内容説明
戻りたい、孤独を言葉でしか知らなかったあの頃に…
危険な魔導書を多数有した魔術師ギルドは、テロ組織として認定され、
その彼らと戦うために科学技術の粋を集めて騎士団が結成される。
多くの魔術師が次々に逮捕・処刑され、
残された者たちは指名手配犯として逃亡生活を強いられることに。
そのうちのひとり、ゴースト化の能力を有するスペクトラルウィザードは――
『金魚王国の崩壊』などWEB漫画界で注目の模造クリスタルが描く、魔術師たちの物語。
同人誌として発表されたシリーズに、加筆修正・描き下ろしを入れて書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
5
登場人物みんな孤独感に蝕まれている。2023/06/15
プロムナード
5
「なぜならスペクトラ お前も世界の一部だからだ」「お前は世界を救うと同時に 自分自身も救うのだ！」こんな言葉をさらっと連ねられたら動揺しますよ。何度も読み返しては泣く、模造クリスタル作品特有のこの読み心地は、「すきとおったほんとうのたべもの」を食べているからなんだろうな。素晴らしい……。2022/08/28
allite510@Lamb & Wool
5
行使する気はないのに力を持ったというだけで迫害され、追われる魔術師たちのお話。彼女らは、疲れて、力なく、ひきこもったり、後悔ばかりして、目が死んでいる。ときどき怒りは表出するけれども、「取り返しのつくものなんて何もない」世界にしてしまった誰かを責めることはしない。「なかったこと」や「見なかったこと」にだけはしない、魔術師たちの元気のなさを支持したい。元気を誰かからもらうばかりじゃなく、元気のなさと付き合い続けることの方が、有効なことはあると思う。2019/06/29
Fumitaka
4
ところどころに響く言葉があり、シンプルながら何が起こっているのかわかる「面白い」絵。精巧さで黙らせる絵はもちろん凄いが、こういった面白さを帯びた画風は最初から惹きつける力がある。この絵柄じゃなければこの作品の魅力は伝わらないだろう。魔術師たちの会話から垣間見える日常レベルの喜びみたいな様は、Panpanya先生の諸作品にも通ずるところがある。ハイテンションでは「ない」が、盛り上がる部分は間違いなくある。稀有な作品だ。どうして俺はこれまで模造クリスタル先生の名を知らなかったのだろう。2023/04/03
Eterter_
4
陰鬱としていて静謐で、形容し難い美しさがある模造クリスタル氏の同人誌まとめ本。純粋な探求としての魔術や対立項としての悪、世界を構成する自分の存在やその後の世界など、とにかく一度読んで、これを肴にみんなで語り合いたい。そんな本。 リレントレスオーバータワー読んでずっと欲しかっただけに単行本化は涙出るほど嬉しいしイーストプレス神。2017/09/25
