内容説明
【良いデザインは、なぜ良いのだろう。 古今東西、デザインの名作30点を詳細解説!】
本書は『デザインの教室 手を動かして学ぶデザイントレーニング』の続編にあたります。前書ではデザインの「視覚的な表現としての論理」をどのように組み立てるかがテーマでしたが、基本的にそれは変わりません。前書がそれを「手を動かし」「線を引き」「オブジェクトを誌面に置く」ことで実現しているのに対し、本書では「目で見て」「論理を組み立て」「視覚的に理解する」ことで「良いデザインとは何か」を理解し、デザインの実践に活かすことをテーマとしています。
良いデザインをするためには何が必要か、を問われると、個人のセンスや能力に帰結しがちですが、それ以外に必要なものとして“デザインを組み立てる論理”であると著者は考えます。その客観的な能力=引き出しを養う方法として、デザイン的に特徴のある名作を引用したうえで、その作品がどういった論理で構成されているのか、どういった特徴があり、なぜ良いのかを具体的に解説していきます。
取り上げるテーマ(および作品)はおよそ30点。古典的な作品から、日本古来の美術作品を含め、デザインの名作と謳われる作品を取り上げながら、実践的なデザイン力をつけることをめざします。
〈本書の内容〉
第1章 創作するためのデザインの読み方
第2章 レイアウトの構成術
第3章 色彩の構成術
第4章 タイポグラフィーの構成術
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
123456789wanko
7
ワンテーマ毎に簡潔に説明と図が配置されており、とても読みやすいです。デザイン初心者の私でも納得しながら読めました。面白いかったのはコラム言葉のデジタル化。「どんなに細かく記録したとしても、デジタル化する際にはどこかの段階で、微妙な差異を切り捨てて記録することが必要になります。そしてこれは、手書きの文字という情報を活字に起こすことと同じです。つまり活字を使うということは一種のデジタル化なのです」。2013/03/31
てきめん
2
デザインというのは何かしら統一していたり、論理的だったりと奥深い世界だなと思いました。また再読してみたいです。2014/10/24
もち
2
デザインを学ぶには世に溢れるデザインを意識して観察し、目を養うことからだと説き、ポスター、書籍、映像、絵画などのマスターピースを読み解きながら要素ごとにデザインの基本的な考え方、手法を具体的に解説している。デザインをする人でなくても、絵画やグラフィックの鑑賞に興味のある人に良い本かも。デザイン教科書的なものを読んだことがほとんどなかったと思って本屋さんでなんとなく買ったら面白かった。ついこの間出たばかりの本らしい。2011/08/21
yyhhyy
1
誰もが見たことあるような著名なグラフィックの作例が多く見ていて楽しい。2022/04/02
sho_kisaragi
1
デザインの教室と対になるように、事例とあわせてデザインの仕組みと与える影響をまとめたものです。逆引き的な扱いになっているので、レイアウト、色彩、フォントからどのような構成術があって、その構成はどのようにできあがっているのかをうかがい知ることができます。内容としては、作りうるデザインにたいしてのヒント本とすると使い勝手が良いかな。デザインとアーティスティックの部分についても、どのように取り込んでいくかなど、デザインの命題にもコラムで触れていて、アーキテクトが設計の一歩上を目指すときのヒントになりました。2015/02/07