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内容説明
なぜ「認知症」なる病気が急に増えたのか。なぜ科学的事実を装ったウソがまかり通るのか。なぜ医療用大麻の有効性が無視されるのか――。
社会には、どう考えても理屈にあわない制度や風潮が、「正義の顔」をして厳然と横たわっている。過激リバタリアンを自称する著者が、弱者や正直者ばかりバカをみる世の理不尽に物申す! 老い先短い気楽さで綴る、笑えて深くてためになる、秀逸なエッセイ。
1 不寛容な社会を生きる
認知症の老人が起こしたJR事故の最高裁判決/若い人の自殺について/アホな法律は国民を不幸にする/自業自得論と弱者バッシング
2 科学と行政のペテン
小保方氏を擁護する人々/責任を取るという人がいない国/「種の保存法」という名の「標本破壊促進法」/日本のエネルギーを考える 1/日本のエネルギーを考える 2
3 日々是雑感
最新のがん治療薬は国家財政を破綻させる/病名を付けるのはいいことなのか/戦争はなぜ起こるのか/友が亡くなって思うこと/言葉はコミュニケーションを阻害する
4 生命と病気の不思議
人間は1000兆個の腸内細菌と生きている/狂犬病の秘密/昆虫食はエコロジカル/咽頭炎に罹る/動物の眠り、ヒトの眠り
5 富と自由と亡国と
イギリスのEU離脱と沖縄独立/グローバリズムと国民国家の狭間で/人はなぜ教育を受けるのか 1/人はなぜ教育を受けるのか 2/トランプのアメリカ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
19
養老孟司さんとは虫取り仲間の池田清彦先生のウェブエッセイです。原発にしても認知症にしてももうお金を吸い上げる機構が出来てしまうと、容易にそれを止めさせる事は出来ないという事を肝に銘じるべき。歳をとればもうろくするのは当たり前なのにそれにもっともらしい認知症という名をつけて、その予防の為にと利権が生まれて、まんまと信じさせた方が勝ちという事、世の中にいっぱいありますぜ。いやいややらされるボランティアは迷惑以外の何者でもない!などなどの日々雑感。2017/08/17
FK
6
かなり強烈に馬鹿さ加減を批判しているが、その当事者たちがこの本を手にすることはないだろう。ここに書かれているすべてを真に受けることはないが、少なくともちょっとは「そうなのかな」と思うだけの度量は持っていたいものだ。 でないと本当に地獄の果てまで連れて行かれ、置き去りにされてしまうことだろう、この日本国家に。2017/10/29
Iwata Kentaro
3
献本御礼。最近、池田先生のご本を読む機会がなかった。それだけ余裕がないのだけれど、久しぶりに読んでとてもよかったです。博覧強記の知の巨人の言葉は、ときどき拝聴した方が良いので、まあこれだけの広範囲なトピックによく論説できるものだと感心しきりだ。とくにEUからの英国の離脱に対する論評にフォーサイスとフリーマントルを引用しているのが抜群だと思いました。2019/03/27
mick
3
内容が事件、原発、政治、昆虫、医療と幅広く、おもしろかった。首肯すること多々。原発も、トランプ政権も現在進行中でこれから先にどのような展開をみせるのかわからない。そんな不安定な中にいて、個人としてどう生き抜くのか。若い人は自分たちの未来を真剣に考えた方がいいだろう。2018/01/12
nabe
3
相変わらずの池田節炸裂。普段モヤモヤしている事柄に鋭く突っ込まれていて、スッキリもした。それにしても池田先生、余程安倍晋三が嫌いなんですね。2017/09/07