内容説明
当代きっての作家たち、ガチンコ競作シリーズ!慶長五年九月十五日、霧立ちこめる地に戦国時代の終焉を告げる運命を背負った男たちが集結した。天下分け目の大戦「関ヶ原の戦い」。徳川家康率いる「東軍」圧勝の理由、石田三成率いる「西軍」敗北の契機、そして両軍の運命を握る男。七人の作家が七人の武将の視点で描く競作長編「決戦!」シリーズ初陣。刊行当初から話題沸騰!業界初の立体的(3D)な競作長編!
目次
人を致して 伊東潤
笹を噛ませよ 吉川永青
有楽斎の城 天野純希
怪僧恵瓊 木下昌輝
丸に十文字 矢野隆
真紅の米 冲方丁
孤狼なり 葉室麟
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
85
天下分け目の決戦関ヶ原を舞台にした競作短編集。家康が勝利し天下統一したという事実には変わりない。だが、あの戦いにそれぞれこんな背景があったのかもという視点があり面白い。伊藤氏の「人を致して」は関ヶ原前の家康と三成の間にそんな密約があったかもと思うと、決戦前のいろんな出来事がなるほどなぁと思えたりする。吉川氏の「笹を噛ませよ」で見せた井伊直政の漢気。木下氏の「怪僧恵瓊」で見せた安国寺恵瓊の命を賭した壮大な復讐劇。まさに怪僧。既読作家は三名で、ご新規さんが四名と新しい作家に触れる機会にもなった。★★★★2017/07/27
ハサウェイ
61
日本最大の野戦である「関ヶ原の戦い」もちろん天下分け目となった戦だが、家康対三成の構造の印象が強いが、計15万人近く争った中から、七人の武将に焦点を当てて七人の作家が描く。それぞれの作家の文体や構成が違うので、一つ一つの物語が新鮮に感じる。2017/09/15
キャプテン
58
★★★★★_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1600年安土桃山時代─関ヶ原の戦い編】この書は、特定の武将が主人公なのではなく、「関ヶ原の戦い」が主人公にござる。天下分け目の大戦でありながら、まさかの半日で終結したその戦いとはなんだったのか。数多の人間の命が失われ、数多の英雄たちが現れては散り、数多の夢と涙に彩られた時代、戦国時代。天下とは、戦うということとは、今の日本がどうして日本なのか、先人たちが血を払って得ようとした答えと戦国時代。戦国の世の旅の終わりまであともう少し。最後まで決して目を閉じぬ。2017/11/28
けやき
57
色々ありましてなかなか本が読めなかったのですが久々の読書。内容は関ヶ原に参戦した武将を様々な作家さんが描いたアンソロジー。よかったです!2017/08/27
カムイ
54
天下分け目の決戦に挑む武将たち、思惑とはかけ離れしまう武将もあり、小早川秀秋などはそれに値する、裏切りもののレッテルを貼られるがそれは間違いであり、東軍(家康)に味方するのは松尾山に布陣した時に明らかであった、若くして夭逝してしまい小早川家の断絶は後の釈明、言い分を出来ないことが彼の不運であった。愚昧な武将ではなく本当は聡明な武将でありもっと評価される武将でもある。色んな武将の視点での関ケ原は面白く読めた2024/04/13