内容説明
市民楽団のヴァイオリニスト・宇田川匠は同じパートの涌井朱音と懇意になり、ある夜に19世紀メキシコで起きた「死者の日」の出来事を語り出した。それは人の血を吸い、能力を奪い、永遠に生きる<夜の種族(ナイト・ブリード)>が人間の女に恋をする物語だった。東京とメキシコ――千年の時を超えて交錯する二つの物語の結末は幸せか、破滅か……。魂を揺さぶる幻想ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
71
ひとくちで言ってしまえば吸血鬼の純愛モノではあるのだけれど、ホラーとしても恋愛モノとしてもどっちつかずで物足りないですね残念。『可もなし不可もなし』。現代の日本と約100年前のメキシコを交互に描いて、中盤まではメキシコサイドの夜のモノが迫る鬼気迫る感触がよさげなのだけれど、現代と過去の繋がりが明かされる終盤あたりで都合よすぎな吸血鬼の設定とか唐突な“狩人”という存在とかやけに陳腐な展開になってしまって興ざめ。乱暴に言えば、日本サイドを描く必然性が見当たらない…というか蛇足にしか感じられない。2017/08/18
うまる
32
【マン読:太陽2】19世紀の死者の日の話の方は、雰囲気が良いし、実際の人物を入れたりして深みがありましたが、現代の話の方があっさりしていて、もったいない気がしました。心理描写が足りないのかな。行動が唐突に感じるし、恋愛要素にしてもどこに惹かれたのかよくわかりませんでした。ネタ的には大好きなので、複数巻でもいいから、各キャラの背景を掘り下げて、壮大な話にしてほしかったです。2022/08/13
Junichi Yamaguchi
24
『夜』… 千年を超える愛… 思っていたストーリーとは少しばかり違っていた。 本書は沢村さんの新たな挑戦なのかな⁈ 応援していこう。。2017/07/05
あいちょ。
2
19世紀メキシコの死者の日と2017年の日本とで交差する2つの物語。 夜の種族と人間。 幸せか破滅か…2017/08/02
PANDAMON
2
サラリと読了。あまり読んだことのないジャンルだった。沢村鐵は長編の警察モノが好きだな…2017/06/23